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ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
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すらすらとうまく書く?
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    文章を書く仕事をしていると、

    どうすればうまく書けますかねとか、

    どうすればすらすら書けるでしょうかねとか、

    そういう言葉を投げかけられることがある。

     

    どうすればうまく書けるか、

    しかもすらすらと書けるとか。

    そういう文章を手玉にとるコツや秘訣があるのなら、

    こちらの方が教えてもらいたいというのが

    正直なところで、いつも返事に窮する。

     

    ほんとうに、そんなにすらすらと、

    うまく書いたという覚えが…

    記憶をたどって出てこないのだ。

    のってきたとか、筆が進むということはあっても、

    それはやっぱり、すらすらとうまく書くのとは

    ちょっと違う。

     

    何となく、小さな種のようなものが

    頭のというか、心の中にポンと落ちてくる。

    その、ポンという音になるかならないかの、

    クシャミや咳の勢いに紛れて消えそうなほどの振動を

    キャッチできた時には、

    お、なんかこれ文章に出来るかな、と考える。

     

    お、なんかこれ、文章に出来るかな、というのは、

    考えとして姿にできるかな、ということだ。

    何かしら、自分なりの気持ちや思いや考えを、

    見つけたり育てたりできるかな、ということだ。

     

    混沌とした、言葉にならないまま

    心のあちらや、頭のこちらに散らかしている

    何か考えのようなものの姿をつかまえる。

     

    膨らませたり、削ったり。

    飾ってみたり、刈り込んだり。

     

    取るに足りない考えであったとしても、

    今、自分はこんなことを思っているのだなあと、

    正直だと思える自分の言葉を探す。

     

    そういうことを、

    うまく、すらすらとやってのける術を私は知らない。

     

    もしも、誰かが教えてくれると言ったら

    なんてラッキーなんだと、

    なんてラッキーなんだと?

    なんてラッキーなんだと、

    果たして、喜ぶだろうか、喜ぶのだろうか?

     

    たしかに、

    この人の文章が好きだというのはあって、

    学びたい、学ぼうというのはあるけれど。

    それは、

    その人の足跡をなぞりながら

    自分の景色を見つけていこうとする道程の気がする。

     

    だからきっと、そのコツや秘訣を教えてもらう、

    答をもらうという事ではない、と。

    そんな風に思う。

     

    影響を受けて、影響を受けて、

    自分の毎日の生活の中で育った感性と、

    生活から切り離したところに保った感性と、

    そういうものが

    とつとつと言葉と出会っていく。

    そして、自分なりの

    文章という姿になっていく。

    そういう事ではないかと思う。

     

    そして、たぶんきっと、文章に限らず、

    世の中のほとんどのことは、

    心や頭のなかに、ポンッと落ちてきた

    小さな種を、

    音や色や体の動きや味やと、様々な姿に表したもので、

    たいていは、

    すらすらとうまくやる魔法で

    できあがってはいないんだろうなあと。

     

    春めいて、なんとなく気分が弾むこの季節に

    苦手の最たるものである書類仕事に

    ウンウンと唸りつづけていたものだから、

    からかしら、からなのかしら。

     

    その苦手仕事の合間に、

    ふと浮かんできた言葉を書き留めた

    積んであるメモ書きを眺めながら、

    これ、どうやったら、書けるかなあと考えているうちに、

    こんな思いが先走り、

    なんか、ちょっと、自分らしくもないことを

    書いてしまったような。

     

     

    JUGEMテーマ:エッセイ

    | 言葉の話 | 07:54 | comments(0) | trackbacks(0) |









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