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ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
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選択肢を増やし、世界を広げる。vol.13|「日々を織る」
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    ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

     

     

    Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

     

    選択肢を増やし、世界を広げる。

     

      好きで選んだ仕事

      こんなに楽しい毎日 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

      利用者からの思いやり 

      仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

      仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

      こんなに必要としてくれる人がいる 

      障害者の高齢化 1/2 

      障害者の高齢化 2/2 

    ⅺ   居場所がある、役割がある 

    ⅻ   十人十色の楽しさを見つける 

    xiii  支援力は、発想力

    xiv  職員の支援力を育てる 

    xv  世界を広げる、アンテナを磨く

    xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

     

     

    日々の生活の中の楽しみごと、楽しいと思う時間を

    利用者一人ひとりの個性に合わせて増やしていく支援とは、

    たとえば、どういうことだろう。

     

    知的障害の一例をあげると、

    物事が関連づかないということがあるそうだ。

     

    ここに100本の糸と1000個のビーズがあるとする。

    1本の糸に10個のビーズを通して

    100組のビーズの紐を作るとする。

    10組のビーズ紐ができたところで時計を見て

    20分経っていたら、

    100組作り上げるのに、単純に計算して200分。

    ずっと根を詰めると疲れるので、

    途中、手を休めながら、3時間半。

    真ん中辺りで休憩を挟んで、

    4時間くらい見ておこうと、大方の人は計算する。

    自分の作業ペースと時間の関係を計り、

    そこに自分の集中力を考慮して

    始まりから終わりまでの自分の行動を見通す。

     

    こういった関連づけがうまくできない場合、

    自分のしていることに、

    はかどっているという感覚が起こらず、

    終わりも見えない。

    自分の集中力を予測して、

    行動をコントロールすることも、ままならない。

     

    ここで支援の出番なのだ。

    その人の様子を見て、集中力を推し量る。

    手を動かす早さと集中力の持続を計り、

    20組のビーズ紐を作ることが

    この人の楽しみになると思えば、

    20本の糸と200個のビーズを入れた箱を準備する。

    そして、施設の廊下を2周することが

    気分転換になるのなら、その短い散歩を組み込んで、

    また、20本の糸と200個のビーズを入れた箱を準備する。

    この繰り返しを、本人のちょうどよい回数できるよう

    環境を整えるのが支援なのだ。

     

    もう一つ、例をあげる。

    時間の感覚について障害のある人にとって

    何もすることがない状態というのは

    気もちが落ち着かないのだそうだ。

    もし、何もすることのない

    10分間の休憩時間を得たとする。

    時間の感覚のない人にとって

    それは終わりの見えない空白のなかに

    ポツンと置かれたような感じというか、

    不安で落ち着かない状態なのだ。

     

    だから、何か、たとえば

    右の箱にあるウッドチップを

    左の箱へ移し替えるという作業があれば、

    右の箱が空になっていくと目に見える変化が

    時計の針のように、

    終わりの見えない空白に時間の経過を刻んで

    不安を軽減する。

    この、気もちの落ち着かせ方、不安の軽減の仕方を

    利用者本人に寄り添って、

    見つけていくのが支援の力ということだ。

     

    「こんな風に、ハンカチを振って」と、

    永棟さんが、親指と人差し指でハンカチの端を

    はさんで持ったように軽く握った拳を

    目の高さで小刻みに振ってみせて、

    「ずっと見てると落ち着く人もいるんです。

     そういう人は、そうすれば落ち着くと

     本人が知っているから、そうしてはるんです」

     

    どうすれば自分が落ち着くのか、

    それが分かっていれば、パニックに陥らずにすむ。

    落ち着き方が見つからず、

    大声をあげたり、時に、暴れたりということを

    防ぐことができる、よい状況といえる。

     

    「でもね、もうちょっと、楽しいというか、

     ハンカチを振るかわりの、建設的なことをね

     見つけていくのも支援の力だと思うんです」

     

    先ず一つ、ハンカチを振るという落ち着き方が見つかった。

    じゃあ次は、何か、もう少し遊びの要素のあるものを、

    何か、その人の自信に繋がるようなことを、

    何か、誰かとのコミュニケーションの

    きっかけになるようなことを。

     

    「そのためには、まず、

     支援する職員に発想力が必要なんです」

     それには、発想のもとになる経験が要るんです。

     自分が遊んで、自分が楽しめる人間だから、

     その発想ができるんだと思うんです」

     

    人と楽しみを分かち合うには、

    まず、自分の中にその楽しみがなくては始まらない。

    楽しさを知っているからこそ、

    それを誰かと分かち合いたいと思うのだ。

     

    「気づける人、ひらめきのある人。

     そういう人が、利用者本人から始まる

     生活の楽しみを見つけ出して、

     その人その人の、日々の暮らしの豊かさを

     築いていける人だと思います。

     まず、自分の生活を楽しんで、

     自分自身の日々の暮らしを豊かにすることを

     怠らないこと。

     支援の力って、結局、人間力と違うかな」

     

     

              次回「 xiv  職員の支援力を育てる」へ

     

     

    協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

     

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    hihi wo oru

     

    JUGEMテーマ:社会福祉

    | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:38 | comments(0) | trackbacks(0) |









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