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ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
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選択肢を増やし、世界を広げる。vol.6 |「日々を織る」
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    ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

     

     

    Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

     

    選択肢を増やし、世界を広げる。

     

      好きで選んだ仕事

      こんなに楽しい毎日 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

      利用者からの思いやり 

      仕事を俯瞰するゆとり 1/2

      仕事を俯瞰するゆとり 2/2

      こんなに必要としてくれる人がいる

      障害者の高齢化 1/2

      障害者の高齢化 2/2

    ⅺ   居場所がある、役割がある

    ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

    xiii  支援力は、発想力

    xiv  職員の支援力を育てる 

    xv   世界を広げる、アンテナを磨く

    xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

     

     

    利用者と職員の両方が、

    「ありがとう」という言葉をおくりあい

    楽しさや喜びといった気もちを交わし合う。

    そんな温かさが溢れる場所がある一方で、

    利用者への暴力など、

    胸の痛む事件が後を絶たないのは何故だろう。

     

    皆、この仕事を好きでやってるんです。

     いやいや、やらされている人なんていない」

    福祉の世界に進んで30数年。

    仕事を辞めることなんて

    一度たりとも考えたことはなかったと、

    愉快そうに話す永棟さんに、その問いを投げかけた。

     

    うーん、と額を指先で軽く掻いた永棟さん、

    暴力をふるうことへの批判よりも、

    そうなってしまった職員の状況を想像するように

    すこし考えてから、言葉を発した。

     

    「話さない当事者の排泄の世話をするとか、

     そういう日々が重なると、

     自分の毎日が、これで終わるのかと、

     なんかそういう気もちになってしまうのかなあ。

     そして、つい怒鳴ってしまったり、

     もっとエスカレートして暴力を振るってしまったり

     そういうことになってしまうのかなあ」

     

    日々の作業を自分の仕事のすべてだと

    感じてしまう時の閉塞感、

    息苦しさ、空しさ、やるせなさ。

    仕事を続けるなかで、

    たぶん誰しも経験したことのあるだろう思い。

    ここで、やはり、思いだすのが

    「一人にしない、一人にならない」という言葉だ。

    一人きりで閉ざされた場所にいないということが、

    どれほど大きなことかと思う。

     

    「排泄の世話と言えば」と永棟さんが笑った。

    「夜勤明けの朝、利用者の部屋に行ったら、

     部屋中ウンチだらけのことがあって。

     慌てて一回、戸を閉めて、

     ちょっと待てよ、これは、どうしたらいい?

     落ち着こ、落ち着いて考えよ、と」

     

    夜中に排泄の失敗をした利用者が

    そのまま動き回って、部屋の床や壁も汚していたのだ。

     

    まず、バケツにお湯を汲んで来て、

    廊下を歩いてもいいように手足を拭いて、

    とりあえず、服も汚れていないものに着せ替える。

    次に、風呂場で身体を奇麗にして、

    そのまま部屋の外で待っていてもらう。

    そして、戸を閉め切ったうえで、

    寝具を奇麗にし、部屋の掃除をする。

     

    汚すところを最小限に抑える手順を考え、

    さっそく、身体を動かした。

    そして、バケツに湯を汲みながら、

    「これ、このまま、ほっといて

     朝番の人へのお土産に置いといたら、どうなるかなあ。

     おはよう、言うて部屋の戸を開けて、

     びっくりするやろなあ」と考えて笑った。

     

    自分が驚いたように、

    仲間が驚く姿を想像して笑った。

    その瞬間、永棟さんは一人ではなくなった。

    驚く仲間の姿を想像し、笑うということで、

    永棟さんは、一人きりで介助するその場にいながら、

    もっと広い、皆のいる支援の場へと

    自分を繋いだのではないかと、そんな気がする。

     

     

         次回「 仕事を俯瞰するゆとり 2/2」へ

     

     

    協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

     

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    JUGEMテーマ:社会福祉

    | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 08:04 | comments(0) | trackbacks(0) |









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