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ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
選択肢を増やし、世界を広げる。vol.16|「日々を織る」
0

     

    ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

     

     

    Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

     

    選択肢を増やし、世界を広げる。

     

      好きで選んだ仕事

      こんなに楽しい毎日 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

      利用者からの思いやり 

      仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

      仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

      こんなに必要としてくれる人がいる 

      障害者の高齢化 1/2 

      障害者の高齢化 2/2 

    ⅺ    居場所がある、役割がある 

    ⅻ   十人十色の楽しさを見つける 

    xiii  支援力は、発想力

    xiv  職員の支援力を育てる  

    xv  世界を広げる、アンテナを磨く 

    xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

     

     

    普段のやり方に、ちょっとした工夫を加えることで

    障害のある人も、他の皆と一緒にできる何かが増える。

    知恵と工夫で、環境を整えていくことが

    永棟さんが職員達に磨いてほしいと願う支援の力だ。

     

    施設の中で、日々、行っているその知恵と工夫について

    いろいろな人に話すこと、

    一緒に体験してもらうためのプログラムを考えることは、

    あらためて自分たちの仕事を見つめ直すことになる。

     

    自分たちの仕事の本質は何か。

    自分たちの仕事は誰の心を、生活を、

    どんな風に満たそうとしているのか。

     

    日々、自分たちがしていることの

    何を伝えればいいのか、どう伝えればいいのか。

    施設から外の世界に出て、

    自分たちと異なる業種の人たちに

    自分たちのしていることを知ってもらい、

    理解してもらい、共感してもらうために。

     

    経験という慣れの中で、

    無意識に行うこともある日々の仕事について、

    なぜ、これをしているのか、

    しなければならないのか、

    そうしようと自分自身で決めたのか、

    あえて見つめ直す。

     

    「同じことをしていても、

     そこに意識があるかないかで

     その行為の意味が大きく違ってくると思うんです。

     なぜ、それをしているのかを、

     分かってするのが支援ですから」

     

    表面上は同じことをしているように見えても、

    その行為の意味が分かっているかどうかが、

    そこに自覚と意識があるかどうかが、

    支援としての発展性に大きく関わる。

    人に伝えるという行為を通して、

    自分たちの支援の意味を、もう一度咀嚼する。

     

    「外の世界に出て話をする、伝えるということは、

     職員の意識を育てて、支援力を育てるんですね。

     そして、それは利用者本人に回っていくんです」

     

    職員の世界が広がることが、

    利用者本人の世界を広げていく。

    職員が、人生の経験の幅を広げることが、

    利用者本人の暮らしの幅を広げていく。

    毎日の生活の中で、

    自分が楽しいと思うこと、したいと思うことの

    選択肢が増えていくことが

    利用者の日々を豊かにし、

    日々の豊かさが積み重なって人生を豊かにしていく。

     

    「仕事は生き方なんです。

     日々の暮らしの中で、いろんな経験をする。

     自分とは違う世界の人と会って、

     自分の世界をちょっとずつ広げて、

     楽しみ方の幅を広げる。

     その経験がもたらす発想力が、

     利用者の選択肢を増やして、

     生活や人生を豊かにしていくんです」

     

    利用者の世界を広げていくことは、

    そのまま支援する職員の世界を広げていく。

    利用者本人の暮らしを豊かにするために

    支援の力を磨いていくことは、

    そのまま職員の人生を豊かにしていく。

    支援する人と、支援を受ける人。

    職員と利用者は、表裏一体となって

    お互いの暮らしを、人生を豊かにしている。

     

    人が暮らしを楽しむための選択肢を増やし、

    世界を広げる。

    日々の暮らしを、ほんの少し楽しくし、

    その積み重ねで人生を豊かにする。

     

    目の前にいる人の人生を豊かにする

    知恵と工夫に力を尽くす。

    その中で、自分の人生の豊かさを手にしている。

     

    福祉とは、なんとクリエイティビティに

    満ち溢れた仕事なのだろうかと、

    あらためて思う。

     

                                                    <終>

     

     

          次回「コラム 障害の両サイド」へ

     

     

    協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

     

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    hihi wo oru

     

    JUGEMテーマ:社会福祉

    | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
    選択肢を増やし、世界を広げる。vol.15|「日々を織る」
    0

       

      ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

       

       

      Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

       

      選択肢を増やし、世界を広げる。

       

        好きで選んだ仕事

        こんなに楽しい毎日 

        利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

        利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

        利用者からの思いやり

        仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

        仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

        こんなに必要としてくれる人がいる 

        障害者の高齢化 1/2 

        障害者の高齢化 2/2 

      ⅺ   居場所がある、役割がある 

      ⅻ   十人十色の楽しさを見つける 

      xiii  支援力は、発想力

      xiv  職員の支援力を育てる  

      xv  世界を広げる、アンテナを磨く

      xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

       

       

      ともすれば、特別な囲いの中に置かれ、

      一般の社会から隔てられがちな福祉、

      なかでも障害者福祉の世界。

      その隔ての中に閉じこもらず、

      全体の世界を広げてほしい。

      職員に、どれだけ外へのアンテナがあるかが、

      施設の利用者の世界の幅を左右する。

      そう考え、研修を通じて、外からの風を

      職員たちに吹き込む永棟さん。

      風を通す取り組みは、地域との繋がりにも及んでいる。

       

      「地域の人、一般の人に

      どんどん施設の中に入ってきてもらえるように

      施設見学を積極的に受け入れてます」

       

      特別な場所と思われがちな福祉施設を

      地域の、一般の人たちにとって

      自分たちも行ける所と思ってもらいたい。

      人が自由に行き来する場所であることが、

      地域の一部としての存在に繋がっていく。

      施設が開かれた場所であることで

      利用者と地域の人の接点を増やし、

      障害というものへの理解を育てていく。

       

      法人グループには、

      地域交流室を設えた施設がある。

      その一つ、池田三恵園の地域交流室は

      地域と施設の共有スペースというスタンスで、

      その使用方法や条件は職員も地域の人も同じだ。

      まず、使用者リストに登録し、その後は、

      時間割した申し込み台帳の希望日時に

      登録した使用者名を書き込む。

      この手順に従った使用権に、施設の内外の違いはない。

       

      いわば早い者勝ちで、

      会議や研修やイベントなど、必要が生じれば

      職員もすぐにその台帳に申し込む。

      稀に、外部からも多く参加する会議や研修など、

      施設や法人内だけでの日程調整が不可能な場合、

      その該当枠を譲ってもらえないかと相談することもあるが、

      基本的に、地域の一員として同じ条件で使用している。

       

      「施設は、地域の共有財産だと思うんです。

       特別な人の特別な場所として置いておくのではなく、

       社会資源として活用してもらわないと」

       

      社会資源として活用してもらいたい。

      永棟さんは、職員の存在についてもそう考える。

      施設から地域へ。

      職員が外の世界と繋がることが

      利用者と外の世界との橋渡しになる。

       

      「学校の人権学習の授業に呼んでいただいたりと、

       地域に繋がる機会を積極的につくって、

       職員たちに、利用者さんと一緒に伺わせてます」

       

      人権学習というと何か堅く重々しく響くが、その内容は、

      職員と利用者が、中学生や高校生の輪の中に入り、

      普段の暮らしについて話したり、

      将来の夢について話したりして、

      障害者も、教室にいる自分たち皆と変わりがないと

      感じてもらうというものだ。

       

      今ある環境、

      多くの人が多少の不便を感じながらも

      その状況に応じて暮らしている環境に、

      自分一人の力では適応するのが難しい。

      そういう障害があるという違いのほかに

      自分たちと障害者の間に、変わりはない。

      若い人たちに、そう感じてもらうことだ。

       

      「職員たちも、その機会を活かそうと、

       自分でいろいろアイデアを出して、企画を考えるんです。

       ジャンケンですすめるゲームなんかもしたようです。

       そこで、手の動きが不自由で、

       皆と一緒にグー、チョキ、パーを出せない利用者がいる。

       じゃあ、その利用者はゲームに参加できないか。

       そんなことないんですよ。

       グー、チョキ、パーを描いたサイコロを転がせばいい。

       それだけで、ジャンケンできるんです。

       普段のやり方に、ちょっとした工夫をするだけで

       障害がある人とも、一緒にそのゲームを楽しめるんです」

       

      できないというレッテルを貼らず、

      どうすればできるかを一緒に考えるという体験をしてもらう。

      その体験を通じて、一人ずつ、

      障害を隔てではない、

      障害者は一緒に何かをできる相手だと思う人を育てていく。

      それが、永棟さんと職員達が進めている人権学習だ。

       

       

               次回「xvi  日々の暮らしを豊かに生きる」へ

       

       

      協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

       

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      hihi wo oru

       

      JUGEMテーマ:社会福祉

      | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
      選択肢を増やし、世界を広げる。vol.14|「日々を織る」
      0

         

        ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

         

         

        Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

         

        選択肢を増やし、世界を広げる。

         

          好きで選んだ仕事

          こんなに楽しい毎日 

          利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

          利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

          利用者からの思いやり 

          仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

          仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

          こんなに必要としてくれる人がいる 

          障害者の高齢化 1/2 

          障害者の高齢化 2/2 

        ⅺ   居場所がある、役割がある 

        ⅻ   十人十色の楽しさを見つける 

        xiii  支援力は、発想力

        xiv  職員の支援力を育てる

        xv  世界を広げる、アンテナを磨く

        xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

         

         

        「さあ、今日はどうやって、

        利用者の皆と1日の生活を楽しもうか」。

        そう考えて、仕事に向かうのが楽しくて

        仕方がなかった新人のころ、

        利用者たちと一緒に蛇花火をしていて、

        風向きのいたずらとは言え、施設に報知器の警報を

        鳴り響かせたこともある永棟さんも、

        今は法人の理事を務め、

        地域の中に展開する20近いグループホームの統括責任者だ。

         

        利用者と日々の暮らしの楽しさを分かち合い、

        生活の質を上げていくという

        永棟さんが思う支援への思いを

        職員たちに伝え、実現するために

        今、どんな風に取り組んでいるのか。

        業界全体として職員の離職率の問題、

        福祉施設の虐待報道もある現実の中、

        施設の統括責任者としての姿勢について尋ねた。

         

        「先ず、私自身に、発散できる話し相手がいます。

         もやもやしたら、一人で溜め込まずに発散して、

         精神衛生を保って、職員のヘルプに絶対に応えます。

         大丈夫な時には、皆、何も言ってこないんですよ。

         困ってるからヘルプって言ってくるんだから、

         やっぱりそれには、何としてでも応えてあげたい。

         ずっと働いてきた法人への愛情もありますし、

         これから受け継いでいく人たちにも、いい法人だ、

         ここで働いていてよかったと思ってもらいたい。

         働く環境としての、

         待遇を上げることも大事だと思います」

         

        まず、自分が一人にならない。

        そして、職員たちを一人にしない。

        一人きりで、もやもやと悩み続けず気もちを安定させる。

        職員の気持ちが安定するからこそ、

        利用者の気持ちの安定も生まれるというものだ。

        そして、ここで働いていて良かったという思いもまた

        利用者の居心地へと繋がっていくだろう。

        職員が笑っていると、利用者達も笑顔で集まってくる。

        職員の機嫌が悪いと、利用者達は散って消えていく。

        利用者は、ほんとうによく職員を見ていると

        このインタビューの始まりに永棟さんも話していた。

         

        「すべて、利用者本人から始まる」

        これが、永棟さんの仕事に対する信念だ。

        職員のことを思う気持ちは

        そのまま利用者への思いへと繋がっている。

        「利用者あっての仕事ですから。

        一人ひとりの人に喜んでもらえるように、

        個別なニーズに応えていく。

        そのための支援力アップのための

        研修にも力を入れてます」

         

        利用者達が、

        この施設で暮らすこと、この施設に通うことを、

        楽しいと思い、嬉しいと思ってくれるからこそ

        仕事への誇りも生まれる。

        「楽しそうな利用者の顔を見て、すくわれるんです」

        「明日も来るんかって帰りがけに聞いてくれるんです」

        明日も自分がここに居ることを、心底望んで、

        それをまっすぐ伝えてくれる人たち。

        その一人ひとりの日々の生活を、

        少しでも楽しくすることを考えていく。

        30数年間、この仕事以外の道を

        一度たりとも考えたことがなかったという

        永棟さんの心を支えてきた、仕事への誇り、

        その仕事をまっとうできる居場所への愛情。

        人を育てるという立場になって、

        その思いを伝えることへの熱意を感じた。

         

        「研修を通じて、外との接触の機会を増やしています。

         職員に、どれだけ外へのアンテナがあるかが、

         利用者本人の世界の幅に関わりますから」

         

        永棟さんが考える、支援力アップのための研修は、

        介助や介護といった、

        生活の快適さを保つ基本のスキルの先を見つめたものだ。

        テニスプレーヤーに喩えるなら、

        素振りを繰り返し、ボールを打つ技術を身につけた上で、

        相手の選手を知り、攻防をイメージし、

        試合運びを組み立て、動くことのできる力。

        支援の力に言い換えれば、

        この組み立て、動くことのできる力が、

        自分がパートーナーとなった

        利用者それぞれの個性を見極め、

        その人に適した生活の楽しさを見つけ出していく力だ。

         

        また、テニスプレーヤーにとってすべての試合が

        たった一度きりのものであるように、

        職員にとって、一人ひとりの利用者と重ねていく

        1日1日は、たった一度きりの時間だ。

        そのたった一度きりを、いかに多様に広げていけるか。

        いろんな選手と、様々な条件のもと

        素晴らしい試合をするように、

        一人ひとりの利用者の、様々な個性にそって、

        より楽しく、より豊かな日々を作っていく。

        永棟さんが研修で磨いてほしいと思うのは、

        そのための支援力だ。

         

        「福祉業界だけに閉じこもらず、

        多様な人と出会って、全体の世界を広げてほしい。

        だから、福祉の世界以外から講師を招いて、

        普段の自分たちとは異なった視点から

        自分たちの仕事を見て、考える機会になるような

        研修会も開いています」

         

         

            次回 「xv  世界を広げる、アンテナを磨く」へ

         

         

         

        協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

         

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        hihi wo oru

         

        JUGEMテーマ:社会福祉

        | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
        選択肢を増やし、世界を広げる。vol.13|「日々を織る」
        0

           

          ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

           

           

          Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

           

          選択肢を増やし、世界を広げる。

           

            好きで選んだ仕事

            こんなに楽しい毎日 

            利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

            利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

            利用者からの思いやり 

            仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

            仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

            こんなに必要としてくれる人がいる 

            障害者の高齢化 1/2 

            障害者の高齢化 2/2 

          ⅺ   居場所がある、役割がある 

          ⅻ   十人十色の楽しさを見つける 

          xiii  支援力は、発想力

          xiv  職員の支援力を育てる 

          xv  世界を広げる、アンテナを磨く

          xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

           

           

          日々の生活の中の楽しみごと、楽しいと思う時間を

          利用者一人ひとりの個性に合わせて増やしていく支援とは、

          たとえば、どういうことだろう。

           

          知的障害の一例をあげると、

          物事が関連づかないということがあるそうだ。

           

          ここに100本の糸と1000個のビーズがあるとする。

          1本の糸に10個のビーズを通して

          100組のビーズの紐を作るとする。

          10組のビーズ紐ができたところで時計を見て

          20分経っていたら、

          100組作り上げるのに、単純に計算して200分。

          ずっと根を詰めると疲れるので、

          途中、手を休めながら、3時間半。

          真ん中辺りで休憩を挟んで、

          4時間くらい見ておこうと、大方の人は計算する。

          自分の作業ペースと時間の関係を計り、

          そこに自分の集中力を考慮して

          始まりから終わりまでの自分の行動を見通す。

           

          こういった関連づけがうまくできない場合、

          自分のしていることに、

          はかどっているという感覚が起こらず、

          終わりも見えない。

          自分の集中力を予測して、

          行動をコントロールすることも、ままならない。

           

          ここで支援の出番なのだ。

          その人の様子を見て、集中力を推し量る。

          手を動かす早さと集中力の持続を計り、

          20組のビーズ紐を作ることが

          この人の楽しみになると思えば、

          20本の糸と200個のビーズを入れた箱を準備する。

          そして、施設の廊下を2周することが

          気分転換になるのなら、その短い散歩を組み込んで、

          また、20本の糸と200個のビーズを入れた箱を準備する。

          この繰り返しを、本人のちょうどよい回数できるよう

          環境を整えるのが支援なのだ。

           

          もう一つ、例をあげる。

          時間の感覚について障害のある人にとって

          何もすることがない状態というのは

          気もちが落ち着かないのだそうだ。

          もし、何もすることのない

          10分間の休憩時間を得たとする。

          時間の感覚のない人にとって

          それは終わりの見えない空白のなかに

          ポツンと置かれたような感じというか、

          不安で落ち着かない状態なのだ。

           

          だから、何か、たとえば

          右の箱にあるウッドチップを

          左の箱へ移し替えるという作業があれば、

          右の箱が空になっていくと目に見える変化が

          時計の針のように、

          終わりの見えない空白に時間の経過を刻んで

          不安を軽減する。

          この、気もちの落ち着かせ方、不安の軽減の仕方を

          利用者本人に寄り添って、

          見つけていくのが支援の力ということだ。

           

          「こんな風に、ハンカチを振って」と、

          永棟さんが、親指と人差し指でハンカチの端を

          はさんで持ったように軽く握った拳を

          目の高さで小刻みに振ってみせて、

          「ずっと見てると落ち着く人もいるんです。

           そういう人は、そうすれば落ち着くと

           本人が知っているから、そうしてはるんです」

           

          どうすれば自分が落ち着くのか、

          それが分かっていれば、パニックに陥らずにすむ。

          落ち着き方が見つからず、

          大声をあげたり、時に、暴れたりということを

          防ぐことができる、よい状況といえる。

           

          「でもね、もうちょっと、楽しいというか、

           ハンカチを振るかわりの、建設的なことをね

           見つけていくのも支援の力だと思うんです」

           

          先ず一つ、ハンカチを振るという落ち着き方が見つかった。

          じゃあ次は、何か、もう少し遊びの要素のあるものを、

          何か、その人の自信に繋がるようなことを、

          何か、誰かとのコミュニケーションの

          きっかけになるようなことを。

           

          「そのためには、まず、

           支援する職員に発想力が必要なんです」

           それには、発想のもとになる経験が要るんです。

           自分が遊んで、自分が楽しめる人間だから、

           その発想ができるんだと思うんです」

           

          人と楽しみを分かち合うには、

          まず、自分の中にその楽しみがなくては始まらない。

          楽しさを知っているからこそ、

          それを誰かと分かち合いたいと思うのだ。

           

          「気づける人、ひらめきのある人。

           そういう人が、利用者本人から始まる

           生活の楽しみを見つけ出して、

           その人その人の、日々の暮らしの豊かさを

           築いていける人だと思います。

           まず、自分の生活を楽しんで、

           自分自身の日々の暮らしを豊かにすることを

           怠らないこと。

           支援の力って、結局、人間力と違うかな」

           

           

                    次回「 xiv  職員の支援力を育てる」へ

           

           

          協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

           

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          JUGEMテーマ:社会福祉

          | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
          選択肢を増やし、世界を広げる。vol.12|「日々を織る」
          0

             

            ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

             

             

            Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

             

            選択肢を増やし、世界を広げる。

             

              好きで選んだ仕事

              こんなに楽しい毎日 

              利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

              利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

              利用者からの思いやり 

              仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

              仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

              こんなに必要としてくれる人がいる 

              障害者の高齢化 1/2 

              障害者の高齢化 2/2 

            ⅺ   居場所がある、役割がある 

            ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

            xiii  支援力は、発想力

            xiv  職員の支援力を育てる 

            xv  世界を広げる、アンテナを磨く

            xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

             

             

            一人ひとりの個性を見極めていく。

            その人の気もちを満たし、

            外との繋がりに結びついていく何かを

            見つけ出していく。

            そのために必要なことは

            コミュニケーションを重ねて

            当人の気もちを確かめることだ。

             

            できることと、したいことは別物だ。

            その2つが必ず合致するわけではない。

            それが故に、

            私たちは向き不向きという言葉を口にして

            適性を考慮して仕事を選ぶし、

            趣味や習い事を選ぶ。

            できることの中から、

            より自分にしっくり来るものを見つけ出す。

             

            もちろん、誰だって、したいことを

            そのまま仕事にできているわけではないし、

            趣味だって限られた条件の中、

            自分の手の届く範疇で続けている。

            誰しも、いくらかの、いや、ずいぶんの

            辛抱をしながら日々の暮らしを営んでいる。

            だから、無理や我慢を最小限にできるよう

            時に何かを拒否し、何かを受け入れ暮らしている。

             

            そう、時に何かを拒否し、何かを受け入れ、

            少しでも自分の意思を、感情を通す

            選択をしながら暮らしている。

             

            「一般のお年寄りは、

             自分で自分の人生のプランを立てられる」

             

            永棟さんの言う、人生のプランを

            自分で立てるとは、そういうことではないか。

            自分の人生のプランを自分で立てるというのは、

            何も、自分の人生を自分の思いのままにできると

            いうことではない。

            自分自身の手に選択肢を持つということだ。

            選択肢の数を増やす機会を持つということだ。

             

            そして、その選択肢を増やすにあたっての

            もっとも大きな壁となりうる

            コミュニケーションの障害、

            自分の意思を伝えることの不自由という障害を

            利用者に寄り添い取り除いていくのが

            支援の力ということだ。

             

            楽しいと思うこと、

            いくつかのできることの中から

            自分はこれがしたいのだと選ぶ楽しさを

            日々の暮らし、生活の中に増やしていく。

            そうして1日1日を生きる力を高め

            年齢による衰えを緩やかにしていく。

             

            「すべて、本人から始まるんです。

             何が楽しいかって、ほんとに人ぞれぞれですからね。

             利用者本人さんからしか始まらない。

             私たちは、その本人さんの様子をよく見て、

             こんなことどうやろ、とか

             今してはることを、もうちょっと楽しくできないかとか

             少しずつ、提案していくんです」

             

            そして、そのために必要なことは、

            職員一人ひとりが自分自身の生活を楽しみ、

            その経験からきた発想力だと、永棟さんは言う。

             

             

                             次回「 xiii 支援力は、発想力」へ

             

             

            協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

             

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            JUGEMテーマ:社会福祉

            | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 08:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
            選択肢を増やし、世界を広げる。vol.11|「日々を織る」
            0

               

              ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

               

               

              Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

               

              選択肢を増やし、世界を広げる。

               

                好きで選んだ仕事

                こんなに楽しい毎日 

                利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                利用者からの思いやり 

                仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

                仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

                こんなに必要としてくれる人がいる 

                障害者の高齢化 1/2 

                障害者の高齢化 2/2 

              ⅺ   居場所がある、役割がある

              ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

              xiii  支援力は、発想力

              xiv  職員の支援力を育てる 

              xv  世界を広げる、アンテナを磨く

              xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

               

               

              自分の居場所がある。

              明日もまた、そこにいたいと思う場がある。

              自分の意思で自分の行動を選び、

              自分という人間の存在を認める。

              そう思える日々の暮らしを重ねていく環境を整える。

              それが福祉の仕事、支援の目指す本筋なんだと、

              永棟さんの話を聞きながら、そう思った。

               

              では、その環境を整えるために、何をどうするのか。

              利用者にとって、ここが自分の居場所だと確信し、

              自分という人間の存在を認められる場は、

              いったいどうすれば築いていけるのか。

               

              「役割があればいいんです。

               一般のお年寄りと一緒。

               役割がなければ、疎外感が生まれるでしょ」

               

              役割。

              そこで必要とされているということ。

              そこにいることを、誰かから望まれていること。

              障害の有無や高齢者という枠を超えて、

              およそ人が必要としていることではないだろうか。

               

              「あの手紙の人ね」と永棟さん。

              20年程前に、永棟さんが企画した書き方教室で

              自分の名前を書けるようになり、

              今、毎日、自分の名前を書いた手紙を

              永棟さんの事務所の机に届けてくれる利用者だ。

              「あの利用者さんにとって、

               手紙が、その居場所に繋がってるんです」

               

              手紙を届けるたびに、喜ぶ永棟さんの顔を見る。

              それは、あなたがいてくれて嬉しいという返事だ。

              あなたがいてくれて嬉しいと、

              誰かに、そう思われる何かを自分はできる。

              自分にはこれができるというその自信は、

              人を内側から照らす灯りになる。

               

              その人にとって、その一通の手紙は、

              人とのコミュニケーションツールなのだ。

              コミュニケーションに障害がある利用者にとって、

              自分の方から積極的に人と接する道があるというのは

              とても大きなことだ。

              人と自分を繋いで、自分の居場所をつくっていく。

               

              「あなたがいてくれることが嬉しい」という

              メッセージを受け取ることが

              1日1日を生きていくモチベーションになる。

              長生きの時代を迎え、

              人は高齢になってからの人生のビジョンを求めている。

              それは、障害の有無にかかわらず、

              誰にも共通することではないだろうか。

               

              「知的障害者が高齢化していくことへの不安は、

               モチベーションを上げられるような

               環境をつくることで解消していく。

               それが支援の力ですから」

               

              高齢化によって、昨日できていたことが

              今日、できにくくなっている。

              そんな、昨日と今日が違っていく速度を

              少しでも緩やかにしていく。

              そのための環境づくりは、

              利用者一人ひとりの生活に寄り添うものだ。

              何が楽しくて、

              何をしている時が落ち着くか。

              言葉の出ない利用者も、

              いやそういう利用者にだからこそ

              一人ひとりそれぞれの個性を見極めて環境を整えていく。

              それが、高齢化する障害者を支援していく力なのだ。

               

               

                       次回「ⅻ 十人十色の楽しさを見つける」へ

                

                       ※ 次回の更新は5月10日です。

               

               

              協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

               

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              JUGEMテーマ:社会福祉

              | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 08:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
              選択肢を増やし、世界を広げる。vol.10 |「日々を織る」
              0

                 

                ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                 

                 

                Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                 

                選択肢を増やし、世界を広げる。

                 

                  好きで選んだ仕事

                  こんなに楽しい毎日 

                  利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                  利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                  利用者からの思いやり 

                  仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

                  仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

                  こんなに必要としてくれる人がいる 

                  障害者の高齢化 1/2 

                  障害者の高齢化 2/2

                ⅺ   居場所がある、役割がある

                ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                xiii  支援力は、発想力

                xiv  職員の支援力を育てる 

                xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                 

                 

                日々の暮らしに、楽しいと思うことがある。

                そしれそれは、お仕着せの楽しさではなく、

                自分でこれがしたい、自分はこれが好きと、

                自分が選ぶ楽しみごとであることが大切だと

                永棟さんは言う。

                 

                たしかに、楽しさというのは

                自分の内側から生まれるものだ。

                心が弾む、明るくなる、

                そういう感情は自分の中から湧きあがってくるもので、

                人から、はい、どうぞ、ともらえるものではない。

                うきうき、わくわくと、

                自分の内側から生まれる感情、感覚だからこそ、

                その人の心に張りが生まれ、活力になり、

                元気の源になるのだ。

                 

                では、人が自分に合う楽しみを見つけるにはどうするか。

                 

                「人生の経験を増やすことやと思うんです」

                 

                体験すること、経験することだ。

                たとえば私たちは、何か興味ひくことを見つけたら

                本当にそれがおもしろいか、

                自分に合うかを確かめるために、

                まず、体験してみる、試してみる。

                そして、それが自分の暮らしに

                張りや彩りを与えてくれるかどうかを確かめる。

                 

                「でも、知的障害のある人が、

                 外に出て、自分で人生の経験を増やすことは

                 現実的に、難しい。

                 だから、私たちが、その環境を整えるんです」

                 

                以前、法人グループの入所施設の一つを訪れた時、

                習字教室が開かれていた。

                もう、稽古が終わり時分で、

                ロの字に並べた長机を囲んで十数人の女性が

                それぞれ、書き上がった作品を見せ合ったり

                自分の習字道具を片付けたりしていた。

                そして、廊下や共有スペースのリビングでは

                おしゃべりをしたり、テレビを見たりと、

                習字の教室には入らずに、

                好きずきに過ごす人たちがいた。

                 

                余暇の過ごし方は、利用者それぞれ、

                一人ひとりの自主性による。

                習字の教室の他に、

                ダンスや音楽などの趣味の教室もあり、

                利用者各自が選んで、自由意志で参加するということだ。

                 

                「知的障害のある人が、自主性をもって、

                 やりがいを感じて何かをするというのは

                 現実として、なかなか、ないんです。

                 でもそれは、障害のせいじゃなくて、

                 そういう経験をしていないからと違うかな」

                 

                だから、永棟さんたちは、

                その経験ができる環境を整えている。

                利用者に自主的に行動するという経験や習慣を

                重ねてもらうために、日常生活では、

                自分にできることを少しずつ増やしていく生活訓練を行い、

                楽しそう、楽しいという気もちから

                自主的に参加したくなるイベントを行う。

                 

                「たとえば、ちょっとしたケガをした時、

                 一般の高齢者の場合、元の生活に戻るために

                 自主的にリハビリをしようとするでしょう。

                 でも、自主的に何かをする習慣がない知的障害者は

                 そのケガをきっかけに、ガクンと弱るんですよ」

                 

                戻りたい元の生活がある。

                そこに、その選択肢があるかどうか。

                そういうことではないだろうか。

                戻りたい元の生活、自分の居場所。

                そのビジョンがあるかどうか。

                そういうことではないだろうか。

                 

                 

                 

                     次回 「ⅺ 居場所がある、役割がある」へ

                 

                 

                協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                 

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                hihi wo oru

                 

                JUGEMテーマ:社会福祉

                | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 10:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
                選択肢を増やし、世界を広げる。vol.9 |「日々を織る」
                0

                   

                  ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                   

                   

                  Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                   

                  選択肢を増やし、世界を広げる。

                   

                    好きで選んだ仕事

                    こんなに楽しい毎日 

                    利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                    利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                    利用者からの思いやり 

                    仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

                    仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

                    こんなに必要としてくれる人がいる 

                    障害者の高齢化 1/2

                    障害者の高齢化 2/2

                  ⅺ   居場所がある、役割がある

                  ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                  xiii  支援力は、発想力

                  xiv  職員の支援力を育てる 

                  xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                  xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                   

                   

                  1年365日、決まって自分の名前を書いた手紙を

                  永棟さんに届けてくれる利用者が

                  70代になったように、

                  施設の利用者は高齢化してきている。

                  それは、法人全体の施設に共通していることで、

                  これは、日本の社会が直面している現実と、

                  何ら変わるところはない。

                   

                  40代50代60代の友人と、

                  70代になり80代を迎える親のこと話していると、

                  昔できていたことが、

                  だんだんできにくくなっていく現実が共通している。

                  身体的な機能もそうだが、記憶力や判断力も然りで、

                  親が一人で出かけたり、

                  同年代の人たちと出かけたりする時、

                  大丈夫だろうかと、皆、気もちのどこかで心配している。

                   

                  利用者が高齢化していく施設でも、それは同じことだろう。

                  しかも、知的障害や身体障害、重複障害のある利用者が

                  一斉に高齢化していくのだ。

                  その変化をどう受け入れ、対応していくのだろうか。

                   

                  「お年寄りになって、いろんなことが、

                   それまでとは違ってくるということについて、

                   障害者だから特別に起こることってないと思うんです」

                   

                  日本社会の高齢化が取りざたされて久しい。

                  施設にも、やがて高齢化の波が押し寄せることを見据えて、

                  法人の仲間たちと思索を重ね、色々と取り組みを試みてきた

                  永棟さんの言葉は力強かった。

                   

                  「ただ、一般の高齢者に比べて、

                   機能の低下が、鋭く急なカーブを描くだろうと思います」

                   

                  一般高齢者が、徐々に徐々になだらかな曲線を描いて

                  身体や認知能力の機能が衰えていくとしたら、

                  施設の利用者である障害者は、

                  高齢化によって身体や認知能力が

                  急勾配を描いて衰えていく。

                  それは、どういうことか。

                   

                  一般の高齢者は、人生のプランを自分で決められる。

                  老後を意識した時、将来の生活をイメージしたり、

                  退職後の自由な時間をどう楽しむかを考えたり、

                  自分で決めた人生のプランの先に、

                  高齢になった暮らしを迎えられる。

                  それに対して、知的障害者の場合、

                  自分自身が手にしている選択肢が圧倒的に少ない。

                   

                  たとえば、知的障害者は友だちづくりが難しい。

                  外に出て、人と関わる機会が少ないから、

                  必然的に、友だちをつくる機会も限られる。

                  ここで、友だちと一緒に出かけるとか、

                  何か趣味を楽しむという選択肢が減る。

                  外の世界に出て、人と関わって

                  その日を楽しむという選択肢が消えていくのだ。

                   

                  「普段の生活の中で、

                   ハッピーやなって感じることがどれだけあるか。

                   それによって暮らしの質が違ってくると思うんです。

                   楽しみがあって、イキイキとその日を暮らすかどうか、

                   やっぱり、健康を維持していくことに

                   影響するんじゃないでしょうか」

                   

                  だから、利用者の選択肢を一つでも増やす努力をする。

                  それが私たちにできる支援なのだと、永棟さんは言う。

                   

                   

                                     次回 「 障害者の高齢化 2/2」へ

                   

                   

                  協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                   

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                  JUGEMテーマ:社会福祉

                  | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 11:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  選択肢を増やし、世界を広げる。vol.8 |「日々を織る」
                  0

                     

                    ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                     

                     

                    Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                     

                    選択肢を増やし、世界を広げる。

                     

                      好きで選んだ仕事

                      こんなに楽しい毎日 

                      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                      利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                      利用者からの思いやり 

                      仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

                      仕事を俯瞰するゆとり 2/2 

                      こんなに必要としてくれる人がいる *

                      障害者の高齢化 1/2

                      障害者の高齢化 2/2

                    ⅺ   居場所がある、役割がある

                    ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                    xiii  支援力は、発想力

                    xiv  職員の支援力を育てる 

                    xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                    xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                     

                     

                     

                    「仕事が終わった帰り際に、

                    『明日、来るんか』って

                     聞いてくれるんですよ」

                     

                    時間や数字の感覚に障害のある利用者にとって、

                    今日、去っていく永棟さんが、

                    明日、来るかどうかを

                    永棟さんの言葉で確かめることが、

                    明日もまた会えるということの安心になる。

                     

                    「明日もまた会えるか、待っているよと。

                     こんなに、必要としてくれてるんやなと、

                     率直に、伝えてもらえるって、なかなかないでしょ」

                     

                    必要としてくれている人がいる。

                    自分を、毎日待ってくれている人がいる。

                    朝、職場に顔を出せば、

                    嬉しそうな笑顔で「おはよう」と迎えてくれる人がいる。

                    これほど、ここに自分の居場所がある。

                    自分のことを大切に思ってくれる人がいる。

                    そう実感できる仕事は、そうそうない。

                    利用者を支える仕事は、同時に自分という存在の支えなのだ。

                     

                    「毎日、手紙をくれる人がいるんですよ。

                     自分の名前を書いた紙を封筒に入れて、

                     毎日、事務所の私の机まで届けてくれるんです。

                     休みとか出張とかで、事務所に出なかった日も

                     机の上に置いてくれてあるんです。

                     で、次の日にはまた、次の日の分を持ってきてくれる」

                     

                    永棟さんが30代のころの配属先の施設で、

                    泊まりのシフトの時、夜の時間に皆と何をしようかと考え、

                    知的障害のある利用者に、

                    自分の名前が書けるようになってもらおうと、

                    書き方教室を開いていた時期があった。

                     

                    利用者一人に一冊のノートを用意し、

                    それぞれの名前を、ひらがなか漢字か、

                    画数の少ない文字を選び、

                    永棟さんが、手書きで点線の下書きを記した

                    書き方帳を作った。

                     

                    たとえば、

                    田中さんなら「田中」と言う文字のカタチを、

                    吉岡さんなら「よしおか」という文字のカタチを、

                    あらかじめ永棟さんが点線で書いておいて、

                    その上を、利用者がそれぞれ鉛筆でなぞって覚えていく。

                    永棟さんの泊まりの夜には毎晩開いて、2年程続いた。

                    その後、永棟さんが異動で一旦その施設を離れ、

                    10年以上経って、また戻った時、

                    練習した字を覚えているよ、

                    自分の名前を書けるよと、

                    毎日の手紙で教えてくれるようになったのだ。

                     

                    「今は、70代になってはるんですけど。

                     20年以上経っても、忘れんと、

                     毎日、丁寧に書いて、封筒に入れて

                     手紙にして届けてくれはるんです」

                     

                    永棟さんが、封を開け、手紙を開いて、

                    うわあ、すごいなあ、上手に書いてるなあと褒めると、

                    とても誇らしげで嬉しそうな顔をする。

                    その利用者にとって、名前を記した手紙は、

                    永棟さんと自分を繋ぐコミュニケーションツールなのだ。

                     

                    1日も欠かさず、コミュニケーションを図るための

                    手紙を持って、自分のことを待ってくれている人がいる。

                    「利用者の楽しそうな顔見て、すくわれるんです」という

                     

                    インタビューの最初に聞いた言葉が、胸に染みる。

                     

                     

                     

                                      次回「 障害者の高齢化 1/2」へ

                     

                     

                    協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                     

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                    JUGEMテーマ:社会福祉

                    | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
                    選択肢を増やし、世界を広げる。vol.7 |「日々を織る」
                    0

                       

                      ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                       

                       

                      Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                       

                      選択肢を増やし、世界を広げる。

                       

                        好きで選んだ仕事

                        こんなに楽しい毎日 

                        利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                        利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                        利用者からの思いやり 

                        仕事を俯瞰するゆとり 1/2 

                        仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                        こんなに必要としてくれる人がいる

                        障害者の高齢化 1/2

                        障害者の高齢化 2/2

                      ⅺ   居場所がある、役割がある

                      ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                      xiii  支援力は、発想力

                      xiv  職員の支援力を育てる 

                      xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                      xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                       

                       

                      自分たちが楽しそうであれば、

                      永棟さんたち職員が喜ぶことを知っていて、

                      「ありがとう」の言葉と笑顔を惜しまない利用者たち。

                      その利用者の気もちが、仕事の喜びになり、甲斐になる。

                       

                      では、支援する利用者が話さない人であったらどうか。

                      ニュースで報じられる福祉施設での

                      職員から利用者への暴力についての質問に継いで、

                      言葉なく、ただ、食事や入浴や排泄の世話を続ける、

                      そんな時の、永棟さんの気持ちのあり方を尋ねた。

                       

                      「そう言う時はね、一人で喋ってるんです。

                       一人喋りを。

                      『あーあ、返事してくれへんし』とか、

                      『これは、どういうことなんかなあ、

                       どうしたらええんかなあ。

                       知らんふりやし、どうしよかなあ』とか、

                       一人で、皆に聞こえるような大きな声で喋りながら、

                       手を動かすんです。

                       そしたらね、やっぱり私のことが気になるから、

                       皆、こっちをチラチラ見てたりね、

                       何かしら、気配を感じるんです。

                       その反応を見ながら、また、何か一人で喋る。

                       そしたら、また、何か反応があるんです。

                       話をしないだけのことで、

                       こちらのことは、やっぱり見てくれてるし

                       反応も返ってきてるんです」

                       

                      会話こそないが、永棟さんの話を聞き、

                      表情や行動を見て、反応がある。

                      以心伝心という言葉があるように、

                      そこには、気もちのやりとりがある。

                       

                      決まりが悪そうな、

                      嬉しそうな、

                      悲しそうな、

                      嫌がっているような、

                      楽しそうな。

                      言葉になっていなくても、

                      表情や、素振り、雰囲気を察することで

                      利用者から感情表現を受け取ることはできる。

                       

                      「ありがとう」という気もちの表現を、

                      「ありがとう」という言葉だけに認めるのではなく、

                      その時、接している相手それぞれの、

                      素振りや気配から受け取れるかどうか。

                      コミュニケーションの方法を自分の枠に収めずに、

                      その相手の個性に委ねてみる。

                      そうすることで、永棟さんは、どんな状況でも、

                      目の前にいる利用者と対話を続けているのだ。

                       

                      「なんて言うのかな。

                       いろんなことがあるとは思うんですけどね、

                       その先が見えたら、続けられるんです。

                       どんな中にも、楽しさを見つけられたら。

                       この人の役にたってると思えたら、

                       仕事の甲斐を感じられるでしょう」

                       

                      自分の思い込みを手放して、

                      先ず、相手の意思を知ろう、分かろうと、

                      目を凝らし、耳を傾け、気分を察する。

                      その姿勢は、言葉を介していようがいまいが、

                      結局の所、コミュニケーションの基本だ。

                       

                      そして、仕事の甲斐を感じること、

                      自分の仕事の素晴らしさに気づくことで、

                      業務を続けていく上で直面する

                      厳しさや課題を乗り越えていくことは、

                      どんな仕事にも通じることだ。

                       

                      『福祉の仕事ってキツいとか、しんどいとか、

                      よく言われたりしますけど、

                      キツいこと、しんどいことは、どんな仕事でもある。

                      福祉の仕事だからじゃない。

                      福祉の仕事には、福祉の仕事の大変さがあるだけ』

                       

                      2015年の晩秋、偶然隣り合わせたパーティー会場で、

                      永棟さんから聞いた、あの言葉が、

                      いっそう強く、胸に響いてくる。

                       

                      「それはほんとに」と永棟さんは言葉を続けた。

                       

                      「こんなに人から必要とされていると実感できる仕事って

                       他にあるやろかと思えるんですよ」

                       

                       

                       次回「 こんなに必要としてくれている人がいる」へ

                       

                       

                      協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                       

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                      JUGEMテーマ:社会福祉

                      | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
                      選択肢を増やし、世界を広げる。vol.6 |「日々を織る」
                      0

                         

                        ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                         

                         

                        Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                         

                        選択肢を増やし、世界を広げる。

                         

                          好きで選んだ仕事

                          こんなに楽しい毎日 

                          利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                          利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                          利用者からの思いやり 

                          仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                          仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                          こんなに必要としてくれる人がいる

                          障害者の高齢化 1/2

                          障害者の高齢化 2/2

                        ⅺ   居場所がある、役割がある

                        ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                        xiii  支援力は、発想力

                        xiv  職員の支援力を育てる 

                        xv   世界を広げる、アンテナを磨く

                        xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                         

                         

                        利用者と職員の両方が、

                        「ありがとう」という言葉をおくりあい

                        楽しさや喜びといった気もちを交わし合う。

                        そんな温かさが溢れる場所がある一方で、

                        利用者への暴力など、

                        胸の痛む事件が後を絶たないのは何故だろう。

                         

                        皆、この仕事を好きでやってるんです。

                         いやいや、やらされている人なんていない」

                        福祉の世界に進んで30数年。

                        仕事を辞めることなんて

                        一度たりとも考えたことはなかったと、

                        愉快そうに話す永棟さんに、その問いを投げかけた。

                         

                        うーん、と額を指先で軽く掻いた永棟さん、

                        暴力をふるうことへの批判よりも、

                        そうなってしまった職員の状況を想像するように

                        すこし考えてから、言葉を発した。

                         

                        「話さない当事者の排泄の世話をするとか、

                         そういう日々が重なると、

                         自分の毎日が、これで終わるのかと、

                         なんかそういう気もちになってしまうのかなあ。

                         そして、つい怒鳴ってしまったり、

                         もっとエスカレートして暴力を振るってしまったり

                         そういうことになってしまうのかなあ」

                         

                        日々の作業を自分の仕事のすべてだと

                        感じてしまう時の閉塞感、

                        息苦しさ、空しさ、やるせなさ。

                        仕事を続けるなかで、

                        たぶん誰しも経験したことのあるだろう思い。

                        ここで、やはり、思いだすのが

                        「一人にしない、一人にならない」という言葉だ。

                        一人きりで閉ざされた場所にいないということが、

                        どれほど大きなことかと思う。

                         

                        「排泄の世話と言えば」と永棟さんが笑った。

                        「夜勤明けの朝、利用者の部屋に行ったら、

                         部屋中ウンチだらけのことがあって。

                         慌てて一回、戸を閉めて、

                         ちょっと待てよ、これは、どうしたらいい?

                         落ち着こ、落ち着いて考えよ、と」

                         

                        夜中に排泄の失敗をした利用者が

                        そのまま動き回って、部屋の床や壁も汚していたのだ。

                         

                        まず、バケツにお湯を汲んで来て、

                        廊下を歩いてもいいように手足を拭いて、

                        とりあえず、服も汚れていないものに着せ替える。

                        次に、風呂場で身体を奇麗にして、

                        そのまま部屋の外で待っていてもらう。

                        そして、戸を閉め切ったうえで、

                        寝具を奇麗にし、部屋の掃除をする。

                         

                        汚すところを最小限に抑える手順を考え、

                        さっそく、身体を動かした。

                        そして、バケツに湯を汲みながら、

                        「これ、このまま、ほっといて

                         朝番の人へのお土産に置いといたら、どうなるかなあ。

                         おはよう、言うて部屋の戸を開けて、

                         びっくりするやろなあ」と考えて笑った。

                         

                        自分が驚いたように、

                        仲間が驚く姿を想像して笑った。

                        その瞬間、永棟さんは一人ではなくなった。

                        驚く仲間の姿を想像し、笑うということで、

                        永棟さんは、一人きりで介助するその場にいながら、

                        もっと広い、皆のいる支援の場へと

                        自分を繋いだのではないかと、そんな気がする。

                         

                         

                             次回「 仕事を俯瞰するゆとり 2/2」へ

                         

                         

                        協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                         

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                        JUGEMテーマ:社会福祉

                        | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 08:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
                        選択肢を増やし、世界を広げる。vol.5 |「日々を織る」
                        0

                           

                          ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                           

                          Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                           

                          選択肢を増やし、世界を広げる。

                           

                            好きで選んだ仕事

                            こんなに楽しい毎日 

                            利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                            利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2 

                            利用者からの思いやり

                            仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                            仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                            こんなに必要としてくれる人がいる

                            障害者の高齢化 1/2

                            障害者の高齢化 2/2

                          ⅺ   居場所がある、役割がある

                          ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                          xiii  支援力は、発想力

                          xiv  職員の支援力を育てる 

                          xv   世界を広げる、アンテナを磨く

                          xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                           

                           

                          「楽しそうな利用者の顔見て、すくわれるんですよ」

                          高校生のころに進路と決めた福祉の世界。

                          30数年のキャリアの間、一度たりとも

                          他の道を考えたことがない永棟さん。

                          その揺るぎない心を支えてきたのは、

                          他ならない利用者の笑顔だった。

                           

                          花見や夏祭り、

                          バーベキューやそうめん流し、

                          手芸教室や料理教室など、

                          四季を楽しんだり、普段の暮らしを楽しんだりと

                          施設では、利用者の生活を彩る

                          種々様々なイベントが行われている。

                           

                          「その度に、皆、ありがとう、

                           楽しかったなあ、おいしかったわ、と

                           感想を言いに来てくれるんです。

                           素直に喜んでくれるいうんかなあ、

                           まあ、嫌なことを言わないんです」

                           

                          たとえば、料理のイベントの時に、

                          企画した職員が、あれ、失敗だったかなと思い、

                          「今日のは、ちょっと美味しなかったなあ」と言うと

                          クスクスっと笑うくらいで、

                          それでも皆で料理をしたり食べたりしたことが

                          楽しかったと、良い方を見て

                          「ありがとう」と言ってくれる。

                           

                          「自分たちの笑顔を見て、

                           職員が喜ぶのを知ってはるんですよ。

                           自分たちの笑顔に、職員が喜ぶのを見てはるんです」

                           

                          職員が利用者を楽しませようとするのと同じように、

                          利用者の方も職員を喜ばせようとしている。

                           

                          「ほんとに、私ら職員の方を見てるんです。

                           それで、喜ばせようとね、しはるんですよ。

                           たとえば、私がね、事務所で、

                           こう、自分の鞄を机の上に置くでしょ、

                           そしたら、

                           さっと下足箱に行って

                           玄関に私の靴を揃えて待ってくれてるんです」

                           

                          ガラス窓越しに、事務所の中の様子を伺っているのだろう。

                          足下や椅子の背に置いた鞄を机の上に置いた

                          永棟さんの外出する気配に、

                          先回りして見送りの準備をする利用者がいるのだ。

                          「ありがとう」と揃えられた靴を履けば、

                          脱いだ上履きをサッととって

                          永棟さんの靴箱にしまい、

                          「急いでるんやろ、早よ行き、早よ行き」と

                          世話を焼いてくれる。

                           

                          「ほんとは、そんなに急いでないんですよ。

                           そんな一刻をあらそうような外出なんて

                           めったにあるもんちゃうし。

                           でも、『いや、ありがとう、行ってくるわ』言うて

                           出るんですけどね、

                           それは、ええ顔で見送ってくれるんです」

                           

                          「ありがとう」のひと言で、心が温かく満たされる。

                          永棟さんが利用者の楽しそうな顔を見て、すくわれるように、

                          利用者もまた永棟さんの明るい顔を見て、すくわれている。

                          支援する職員と、支援を受ける利用者は、

                          互いを、心の温かな居場所に、支えあっている。

                          「ありがとう」の笑顔をおくりあい、

                          喜びを分かち合っている。

                           

                          かといって、キツくて、しんどいという、

                          福祉の現場に対するそのイメージを

                          まったく否むこと、というのはできない。

                          けど、その喜びを分かち合う人と人の姿を想えば、

                          この福祉の現場が、

                          なんとも温かさの溢れた場所であるかと

                          思うのもまた本当のところだ。

                           

                          そこで、永棟さんに一つの問いを投げかけた。

                           

                           

                               次回「 仕事を俯瞰するゆとり 1/2」へ

                           

                           

                          協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                           

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                          hihi wo oru

                           

                          JUGEMテーマ:社会福祉

                          | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
                          選択肢を増やし、世界を広げる。vol.4 |「日々を織る」
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                            ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                             

                             

                            Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                             

                            選択肢を増やし、世界を広げる。

                             

                              好きで選んだ仕事

                              こんなに楽しい毎日 

                              利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2 

                              利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2

                              利用者からの思いやり

                              仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                              仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                              こんなに必要としてくれる人がいる

                              障害者の高齢化 1/2

                              障害者の高齢化 2/2

                            ⅺ   居場所がある、役割がある

                            ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                            xiii  支援力は、発想力

                            xiv  職員の支援力を育てる 

                             xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                            xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                             

                             

                             

                            まだ新人だったころの永棟さん。

                            いつものように、どうやって利用者の皆を

                            楽しませようかと考えていて、

                            ある日、蛇花火をしようと思い立った。

                            円筒形の黒い蛇玉に火を点けると

                            その筒が煙をあげながらにょろにょろと

                            蛇がくねるように伸びていく花火だ。

                             

                            施設の玄関先に集まって、

                            一つ、また一つと蛇玉に火を点け

                            そのくねくねとした不規則な動きを

                            皆でおもしろがっている時、

                            玄関の自動扉が開いて、

                            絶妙のタイミングと風向きで吹いた一陣の風が

                            蛇玉からもくもくと上がる煙を

                            施設の屋内にサアッと送り込んだ。

                            そして、その煙を探知した報知器のベルが

                            施設内に鳴り響いたというわけだ。

                             

                            利用者の皆にとりたてて影響がなかったので

                            そんなに叱られた記憶はないというが、

                            「私の上の人は、もっと上やら、

                             いろんなところから叱られはったんやろなあ」

                            と、懐かしそうに笑う永棟さんに、

                            人と接することそのものを仕事にしたいと

                            高校時代から目指していた福祉の仕事は、

                            利用者の皆と日常生活を楽しんでいるようで、

                            楽しくて、楽しくて仕方なかったという言葉が表す

                            新人時代の日々の姿を想った。

                             

                            先ず、自分が楽しいと思うことを、皆と一緒に楽しむ。

                            そのシンプルな秘訣を実践して、

                            利用者の皆と、毎日の生活を楽しむ。

                            今日も楽しかったと眠りにつく日々の積み重ね。

                            それは、利用者の生活の豊かさであり、

                            同時に永棟さん自身の生活の豊かさだった。

                             

                            「楽しそうな利用者さんの顔見て、すくわれるんですよ」

                            新人のころから現在に至るまで、

                            それはずっと変わらない。

                            皆に楽しんでもらいたい、

                            皆と一緒に楽しみたいという思いに、

                            利用者たちは、絶対と言っていいほど、

                            笑顔で応えてくれるという。

                            そこにあるのは、気もちのやりとりに他ならない。

                             

                            職員が不機嫌な時、その空気を察して

                            利用者たちは寄り付かない。

                            職員が笑っていると、

                            利用者ものびのびと笑って集まってくる。

                            知識や技術は確かに必要だ。

                            しかし、その前に、職員と利用者と、

                            人と人の気もちの交流がある。

                             

                            一緒に、日々の生活を楽しみ、

                            今日という良い1日を積み重ねていく。

                            人と人が関わりあい、

                            生きていくということの根本が、

                            福祉の現場の土台なのではないだろうかと思う。

                             

                             

                                  次回「 利用者からの思いやり」へ

                             

                             

                            協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                             

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                            JUGEMテーマ:社会福祉

                            | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
                            選択肢を増やし、世界を広げる。vol.3|「日々を織る」
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                              ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                               

                               

                              Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                               

                              選択肢を増やし、世界を広げる。 

                               

                                  好きで選んだ仕事 

                                  こんなに楽しい毎日

                                  利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2

                                  利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2

                                  利用者からの思いやり

                                  仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                                  仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                                  こんなに必要としてくれる人がいる

                                  障害者の高齢化 1/2

                                  障害者の高齢化 2/2

                               ⅺ   居場所がある、役割がある

                               ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                              xiii   支援力は、発想力

                              xiv   職員の支援力を育てる 

                               xv   世界を広げる、アンテナを磨く

                              xvi   日々の暮らしを豊かに生きる

                               

                               

                               

                              さあ、今日は、どうやって

                              皆と一緒に、1日の生活を楽しもう、と、

                              そう考えるところから始まる毎日。

                              福祉の世界に進む、

                              高校生の頃からそう決めていた永棟さんにとって、

                              現場での仕事は、

                              楽しくて、楽しくて、仕方のないものだった。

                               

                              施設では、利用者が規則正しく、健康的に暮らすために

                              いろいろなプログラムが組まれていて、

                              若い人たちは、散歩やハイキングに出かけたり、

                              部活動として音楽や体育などに参加したりしていた。

                              そして新人の永棟さんが担当したのは、畑仕事だった。

                               

                              「半袖のシャツと短パン姿になって、皆と畑仕事。

                               それはもう、楽しかったですよ。

                               虫もいてるし、そこは長袖長ズボンやろという

                               声もありましたけど。

                               バケツや鍬を持ってね、さあ、皆、畑に行くで、って、

                               袖まくりして」

                               

                              施設から歩いて5分程のところに

                              地元の農家から畑を借りて、

                              利用者の皆と一緒に野菜の世話をしていた。

                               

                              利用者の皆と一緒に野菜の世話をする。

                              太陽の下、身体を動かし、

                              時に自分たちの育てた野菜が食卓にあがる。

                              楽しさや、嬉しさ、そして労働のあとの軽い疲れ、

                              そういう感情や感覚を分かち合う。

                              そこにある心の交流のなんとあたたかいことかと、

                              情景を思い浮かべて思う。

                               

                              永棟さんが務め始めたその当時、

                              法人が運営していたのは2施設。

                              両施設合わせて、

                              職員が20人と少しと、利用者が100人程。

                              法人グループ全体で200数十人の職員が勤務し、

                              10以上の事業所の総利用者が

                              500人を越える規模となった現在とは違い、

                              ルールも緩やかだった。

                               

                              利用者の規則正しく、健康的で安全な生活を支える。

                              その責任と使命をきちんと守れば、

                              利用者との日常生活をどんな風に楽しむかについて

                              職員に与えられていた裁量は大きかった。

                              畑仕事が終わった後の自由時間、

                              利用者をどうやって楽しませるか考えるのが

                              永棟さんの楽しみだった。

                               

                              どうやって利用者を楽しませるか、

                              アイデアを練り、工夫をこらす。

                              当時も今も、職員のその姿勢は変わらない。

                              食事、入浴、排泄など、日常の行動についての

                              必要に応じた介護や介助ももちろん大切な仕事だ。

                              しかし福祉の仕事の本質は

                              利用者の日々の生活を支えることで、

                              その積み重ねである人生を豊かさを

                              ともに築いていくことだ。

                               

                              「自分が楽しいと、皆も楽しいんですよ」

                              これが、永棟さんが見つけた利用者を楽しませる秘訣だ。

                              確かにそうだ。

                              たとえば、ライブやコンサートに行く。

                              ステージで歌うこと、踊ることを本心から楽しんでいる

                              アーティストの姿にこちらの気もちも乗っていく。

                              楽しさは伝染するものだ。

                               

                              「そういえば」と、永棟さんが笑った。

                              「一回ねえ、火災報知器を鳴らてしまって」と、

                               

                              楽しさが高じて招いた失敗談を話してくれた。

                               

                               

                               次回「 利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2」へ

                               

                               

                              協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                               

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                              JUGEMテーマ:社会福祉

                              | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
                              選択肢を増やし、世界を広げる。vol.2|「日々を織る」
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                                ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                                 

                                 

                                Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                                 

                                選択肢を増やし、世界を広げる。 

                                 

                                    好きで選んだ仕事 

                                    こんなに楽しい毎日

                                    利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2

                                    利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2

                                    利用者からの思いやり

                                    仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                                    仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                                    こんなに必要としてくれる人がいる

                                    障害者の高齢化 1/2

                                    障害者の高齢化 2/2

                                 ⅺ   居場所がある、役割がある

                                 ⅻ   十人十色の楽しさを見つける

                                xiii   支援力は、発想力

                                xiv   職員の支援力を育てる 

                                 xv   世界を広げる、アンテナを磨く

                                xvi   日々の暮らしを豊かに生きる

                                 

                                 

                                 

                                福祉の世界で生きていく。

                                永棟さんがそう決めたのは、高校生の時だった。

                                自分に向いているのは、

                                人相手に身体を動かしている仕事。

                                そして、人と接することそのものが仕事の

                                福祉の道へと進路を定め、

                                短期大学の社会福祉学科で学ぶことに決めた。

                                 

                                ともかく福祉への道が拓けると入った短期大学で

                                より専門的な分野を選んでいく時、

                                高齢者福祉がいいと思った。

                                友人たちのほとんどが、保育士を希望していた。

                                その話を聞きながら、自分は違うなと感じた。

                                確たる理由があったわけではないが、

                                子ども相手ではない、

                                年上の大人と会話ができるような仕事を思い、

                                お年寄りと接する高齢者福祉が

                                自分のしたい仕事だと思った。

                                 

                                そして高齢者施設への就職を決めかけていたところに、

                                知人から「三恵園」を紹介された。

                                施設の厨房で働いていたその人が、

                                永棟さんが福祉施設の仕事を探しているのを知って

                                「三恵園」に来てはどうかと勧めてくれた。

                                条件もしっかりしているし、

                                福祉の世界でずっと働いていく気なら

                                一度是非、考えてみてはどうか、

                                ちょうど職員を募集しているよ、という知人の言葉に、

                                永棟さんは、自分の暮らしている地域に

                                福祉施設があることに、あらためて思い当たった。

                                 

                                時々使うバス停で、その施設の人たちが

                                散歩する姿を見て知っていたのだった。

                                年配の女性たちが数人、施設の職員らしい人たちと

                                笑顔でのんびり、ゆっくり歩いている姿を思い出した。

                                調べてみると、主に女性のための障害者福祉施設だった。

                                大人を相手にした福祉施設で働きたいという

                                永棟さんの希望に合っていた。

                                問い合せて、履歴書を送り、面接を受け、採用となった。

                                 

                                学校を卒業し、いざ仕事を始めた永棟さんにとって、

                                福祉の現場は、

                                「もう、楽しくて、楽しくて。

                                 もちろん仕事してるのは、してるんですよ。

                                 でもそれが、ほんとに楽しくて。

                                 こんなに楽しくて、お金もらってていいのか」

                                と思ったほどの、ある意味、楽園だった。

                                「利用者の皆と、日常生活を楽しむ。

                                 そんな感覚の毎日でした」

                                 

                                福祉の仕事につきまといがちな、

                                キツくて、大変なイメージとはかけ離れた

                                当時の永棟さんの日々は、どんなだったのだろう。

                                 

                                 

                                 次回「 利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2」へ

                                 

                                 

                                協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                                 

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                                JUGEMテーマ:社会福祉

                                 

                                | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
                                選択肢を増やし、世界を広げる。vol.1|「日々を織る」
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                                  ☆「日々を織る」福祉の現場に生きる人たちのルポルタージュ☆

                                   

                                   

                                  Person 3  永棟真子(ながむね あつこ)さん

                                   

                                  選択肢を増やし、世界を広げる。 

                                   

                                       好きで選んだ仕事 

                                      こんなに楽しい毎日

                                       利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 1/2

                                       利用者と一緒に1日1日の生活を楽しむ 2/2

                                       利用者からの思いやり

                                       仕事を俯瞰するゆとり 1/2

                                       仕事を俯瞰するゆとり 2/2

                                       こんなに必要としてくれる人がいる

                                       障害者の高齢化 1/2

                                       障害者の高齢化 2/2

                                     ⅺ  居場所がある、役割がある

                                     ⅻ  十人十色の楽しさを見つける

                                    xiii  支援力は、発想力

                                    xiv  職員の支援力を育てる 

                                     xv  世界を広げる、アンテナを磨く

                                    xvi  日々の暮らしを豊かに生きる

                                   

                                   

                                  福祉の仕事というのは、

                                  なんてクリエイティブなんだろう。

                                  インタビューをしながらそう思った。

                                   

                                  今回、お話を伺ったのは

                                  永棟真子さん。

                                  2015年の晩秋、

                                  とあるパーティー会場で偶々隣り合わせた際に、

                                  彼女から聞いた言葉がずっと胸に残っていた。

                                   

                                  「福祉の仕事ってキツいとか、しんどいとか、

                                   よく言われたりしますけど、この仕事のことを、

                                   嫌やとか辛いとか思いながらしている人なんて

                                   一人もいないから。

                                   キツいこと、しんどいことは、どんな仕事でもある。

                                   福祉の仕事やからじゃない。

                                   福祉の仕事には、福祉の仕事の大変さがあるだけ。

                                   皆、この仕事を好きでやってるんです。

                                   いやいや、やらされている人なんていない」

                                   

                                  どんなきっかけで、そんな話になったのかは覚えていない。

                                  言葉の一言一句までを正確に覚えているわけではないが、

                                  その言わんとするところは、強く記憶に残っている。

                                   

                                  福祉の仕事がしんどくないわけではない、

                                  けど、それは、数多ある仕事のなかで、

                                  福祉の仕事だけが特別だからではない。

                                  福祉の仕事には、福祉の仕事のしんどさがある。

                                  それだけのことで、

                                  そのしんどさも含んで、

                                  自分の仕事と受け入れているのだと。

                                  キツく、しんどい仕事を、

                                  嫌々ながら、引き受けさされているのではない。

                                  誰もが、自分の意思でこの仕事を選び続けているのだ。

                                   

                                  会場のそこここで歓談する人の姿を眺めながら、

                                  ブッフェで選んで来たアイスクリームを

                                  美味しいと話すのと変わりない気負いのない口調に、

                                  力強さを感じた。

                                  30数年の間、1度たりとも仕事を辞めよう、

                                  辞めたいと思ったことなどないという人の、

                                  福祉の仕事への愛情や誇りを感じた。

                                   

                                  ああ、いつか、この人の話を聞いてみたいな、

                                  そう思ってから約2年。

                                  「振っても叩いても、

                                   たいした話は出てけえへんと思うけど」と、

                                  笑いながら始まった話を聞きながら浮かんだ思いが、

                                  福祉って、なんてクリエイティビティに

                                  あふれた仕事なのだろう、というものだったのだ。

                                   

                                  自分が選んだ福祉の仕事に

                                  どれだけ、自分の日々を豊かにしてもらったか。

                                  それをおもしろおかしく話してくれた永棟真子さん。

                                  先ず、どうして福祉の仕事を選んだか。

                                   

                                  そこから彼女の話をはじめよう。

                                   

                                   

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                                  協力:社会福祉法人 産經新聞厚生文化事業団

                                   

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                                  | ☆ルポルタージュ「日々を織る」Person3 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) |