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ぱんせどフランセ

思いつくまま、たまに仕事のことなども。

福祉の現場に生きる人たちへのインタビューをもとに書いた
ルポルタージュ「日々を織る」も連載しています。
初春に、笑う門で福もろた|大美落語会
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    先週、1月16日の火曜日、

    旧鴻池邸での落語会に行きました。

     

    前を通るたび、素敵だなあと思っていた建物で、

    以前、先代追悼のご一門の落語会がとても面白かった

    笑福亭松喬さんの、当代への襲名記念ともあって。

    すごく楽しみにしていた落語会でした。

     

    「桃太郎」   桂 三語さん

    「粗忽長屋」笑福亭 喬若さん

    「寝床」      笑福亭 竹林さん

               —中入りー

    「対談」      竹林さん×松喬さん

    「権兵衛狸」露の吉次さん

    「崇徳院」   笑福亭 松喬さん

     

    5人の噺家さんの噺と、対談。

    楽しさ満載でした。

     

    100畳近い大広間の座布団席。

    畳の上ということで、

    身をよじり、身体をゆらし、

    ハンカチ片手に、思う存分笑いました。

     

    5席の噺、最初っから最後まで、

    ずっと大口あけて笑ってましたが、

    なかでも、

    笑福亭松喬さんと喬若さん。

    また、聞きにいきたいと、

    好きな噺家さんが、増えました。

     

    落語って、ほんとうにすごいと、

    あらためて思った、素敵な晩でございました。

     

     

    JUGEMテーマ:落語

    | 本とか映画とかアートとか。 | 08:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
    胸がヒリヒリした|「探偵はBARにいる3」
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      「探偵はBARにいる3」を観てきた。

       

      いよいよ3作目、のニュースを聞いてから

      早く、早く、早く、観〜た〜い〜と

      待ちかねていたものだから、

      はよ、書かな〜、と焦る原稿をほっぽり出して、

      年の瀬らしく溜まっている野暮用にも目を背け、

      観に行った。

       

      シリアスな顔をすればするほど冗談に見える

      大泉洋ちゃんが、

      どうしたことか、かっこよくて。

      飄々とした松田龍平くんが、

      力を抜いて立っているだけで、

      この上なく、かっこよくて。

      ライトさとハードボイルド感。

      この2人から広がる世界観が

      とにかく素敵なのだ。

       

      ライトな言葉を重ねる向こうに描かれる

      人の心が染みました。

       

      なんて言うんだろう。

      命だとか、

      人生だとか。

      そういう言葉は、

      それを生きるその人だけの言葉で。

      普遍的な意味で使う「命」や「人生」という言葉も

      たしかにあるのだけれど。

      ほんとうのところ、すべてのその言葉は、

      とても個人的な世界で。

      そのどちらの意味で使うにしても、

      容易く、口にできる言葉ではないのだと。

      なんか、そんなことを思いました。

       

      北川景子さん演じるヒロインの切なさに、

      その切なさを胸に刻む探偵のやるせなさに、

      胸がヒリヒリしました。

       

      原稿、ほっぽり出して行った甲斐、ありました。

       

       

      あ、悪役リリーフランキーさんの存在感ったら。

      画面にいなくても、怖かったんです。

       

       

      JUGEMテーマ:大好きな映画

      | 本とか映画とかアートとか。 | 07:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
      銭湯での「湯けむり寄席」
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        先週末、知人の誘いで、

        銭湯での落語会に行ってきました。

         

        先に取っておいてくれた席は

        噺家さんの座布団の真ん前。

        高座の足下を隠す「ゆ」の暖簾に

        膝がつきそうな近距離で。

         

         

        たとえば、キセルに見立てた扇子を

        噺家さんがぐっと腕をのばして突き出せば、

        その先から、こちらの頭上に

        灰がはらりぱらりと落ちてきそうな

        気がするほどでした。

         

        片方の湯の脱衣所を楽屋に

        もう片方の湯の脱衣所を寄席にして、

        噺家さんが番台の前を抜け、

        客席の横を通って高座に上がるという

        噺家と客の距離がとっても近い。

         

        下町の銭湯の脱衣所に

        軽く100人を越える盛況ぶりで、

        ぎっしり並んだパイプ椅子の後ろには

        立ち見の客が並び、

        常連さんも多いらしく、

        老若男女の活気に溢れておりました。

         

        噺の、間の手のように

        客席のあちらこちらから上がる声。

        客の声をすくいあげ、

        織り込んでいまれていく噺。

        物理的にも心理的にも

        高座と客との距離がとっても近くて。

         

        まさに、ここは庶民の社交場っ!という

        雰囲気に包まれた銭湯と落語。

        場の味わいも楽しんだ落語会でした。

         

         

        JUGEMテーマ:落語

        | 本とか映画とかアートとか。 | 07:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
        切なく美しい|ゴッホ 最期の手紙
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          先日、公開を楽しみにしていた映画

          「ゴッホ 最期の手紙」を観てきました。

           

          役者さんが演じた全編が

          ゴッホのタッチで描いた動く油絵になって

          スクリーンの上に表れる。

           

          人物や自然や町並み、

          建物、室内の様子、

          窓から洩れる灯り、

          グラスに注がれるワインの一滴までもが

          すべて、実写から油絵へと

          写しかえられたアニメーション。

           

          「星降る夜」

          「星月夜」

          「アイリス」

          「夜のカフェテラス」

          「夜のカフェ」

          「ファンゴッホの寝室」

          「オーヴェルの教会」

          「カラスのいる麦畑」

           

          そして、そして…。

           

          吸い込まれていくようなブルーを貴重に、

          燃え立つ赤

          あたたかなオレンジ

          引き寄せられるイエロー

          心騒ぐブルーブラック。

           

          大好きな色に包まれる心よさと、

          ゴッホの画の中に入り込んだ船酔いにも似た

          不思議な感じ。

           

          幾度となく観てきた画のなかを

          歩いている感覚は、

          懐かしい場所を訪れたようで。

           

          ゴッホの最期を追いかける物語に連れられて

          ゴッホが描いた世界を歩いていると、

          フィンセント・ファン・ゴッホが

          幼い頃から最期まで

          抱え続けていただろうとする孤独が、

          真綿に染み込む水のように

          こちらの胸に沁みてきました。

           

          「愛か、狂気か。」

           

          狂おしさが噴き出すような

          このキャッチコピーと一緒に、

          心に焼きついた映画です。

           

           

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          | 本とか映画とかアートとか。 | 07:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
          今年も笑った|志の輔らくご2017
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            「志の輔らくご」。

             

            今年の公演を観終わるや、

            来年はいつかなあと待ち始める

            立川志の輔さんの独演会。

            今年も堪能して参りました。

             

            笑いました、笑いました、笑いました。

             

            もうね、高座にあがった志の輔さんの

            「ようこそお越しくださいました」の

            ひと言で笑い始めるくらい、

            ともかく、可笑しくて可笑しくて仕方がない。

             

            あれはマジックですね。

            志の輔さんのマジック。

            落語のマジック。

             

            笑って、笑って、笑いながら、

            ふと、笑ってるって

            なんてステキなことなんだろうと、

            いろいろなことを思ったりもしながら、

            笑いました。

             

            畳何畳分かの高座に座布団ひと重ね。

             

            それだけの空間に、

            噺家さんの声と所作だけで世界が広がる。

            噺家さんの目線ひとつに連れられて

            世界のあちらこちらに目を配る。

            言葉使いひとつで、その人物像を作り出す。

             

            そして、笑って、笑って、

            ちょっとしんみりして、

            笑って、笑って、笑って。

             

            ほんとうに、落語って素敵。

             

            そして

            志の輔さん、かっこいい人です。

            かっこいいんです。

            なんか、かっこいいんです。

             

            来年の「志の輔らくご」、待ち遠しいなあ。

             

            志の輔落語2017

             

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            | 本とか映画とかアートとか。 | 07:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
            愛情に包まれる一冊|「忘れられた子ら」
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              良い本との出会いは

              一生の友との出会い。

               

              ちょっと大袈裟な物言いにも

              聞こえるかもしれないが、

              それくらい言ってもいいと思う。

               

              自分の考えや行動に影響を与え、

              時には迷う心の指針になってくれる。

              それを一生の友と呼ばずしてなんと呼ぶかと、

               

              なぜか、昭和もびゅんと飛び越えて

              明治時代のおじちゃんみたいな口調で

              言ってしまうくらい、そう思う。

               

              なぜ、こんなに熱弁するか、

              それは、最近、

              そういう本に出会ったからであります。

               

              やっぱり口調がおかしい。

              落ち着け、自分。

               

              書名は『忘れられた子ら』

              著者は、田村一二氏。

               

              特に秀でた生徒ばかりを集めた

              特別学級と誤解して

              「特別養護学級」を受け持った

              若い男性教諭と生徒たちの物語りで、

              作家自らの体験を文学風に描いている。

               

              昭和初期に始まる話で

              今という時代の感覚からすると、

              言葉使いなど、

              すこし驚くような乱暴なところもあるけれど、

              とにもかくにも、読んでいて、

              なんとも温かい気持ちになるのです。

               

              乱暴ではあるけれど

              生徒たちへの嘘のない愛情が、

              ひしひしと伝わってきて、ほんとうに気もちがよい。

              そしてその愛情たっぷりの筆で描かれた

              子どもたちの姿が、何とも愛くるしいのです。

               

              人の行いやあり方として、

              良いことは良い、悪いことは悪い。

              その一点には、障がいのあるないは関係ない。

               

              その信念を一人ひとりの生徒と、

              真っ向から向き合い教えていく

              若い男性教師の姿に力を与えられました。

               

              自分の頭に浮かんだ考えや感情を

              飾ることなく表す子どもたちと、

              その子どもたちと、がっぷり四つに組む先生。

               

              その真摯な、人と人とのあり方に、

              自分を大切にすること、

              人を大切にすることとは何かを、

              思わずにはいられませんでした。

               

              福祉施設で支援の仕事に就く

              友人に教えられて手に取った一冊ですが、

              彼女が、自分の仕事の原点として

              あげたこの本。

               

              ほんとうに出会えてよかったと思います。

               

              知的障がい児と呼ばれる子ども達の

              素直さ、

              人を思いやる心のあたたかさ、

              気取ったり、

              自分を大きくも良くも見せようとしない

              澄んだ清々しさ。

               

              特別養護学級の意味すら分からなかった

              若い男性教師の、

              何の方法も持たない、

              ただただ、目の前の子どもを受け入れ、

              愛情を注ぐ姿。

               

              読んでいて自分の心が洗われていくようで、

              これからの

              自分自身との関わり方

              人との関わり方に

              影響を与える何かが

              自分の心の真ん中に落ちてきました。

               

              その何か。

              大切に包んで育てていこうと思います。

               

               

               

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              | 本とか映画とかアートとか。 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
              はんなり、春風亭小朝さんワールド
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                昨日は、春風亭小朝さんの独演会へ。

                 

                エレガントで洗練された落語に

                今年もまたうっとり魅入りました。

                 

                トンガリ頭のおじさんなんだけどなあ、

                はんなり美しいんですよねえ。

                 

                すっと軽く品をつくる所作で、

                 

                そこに美しい花魁が

                気だてのいいお女房さんが

                思慮深いご隠居が

                高潔な武士が

                とんまな丁稚が

                 

                とまあ、いろいろな人の姿が見えてくる。

                 

                はんなりと、品のある色気に包まれて

                次から次へと場面が表れてくる。

                言葉と所作だけで立ち現れるその世界に

                引き込まれていくんですよねえ。

                 

                同じ噺でも、噺家さんによって

                心に浮かぶ登場人物の風貌、顔貌、

                歩く歩幅や速度が違って見えるからおもしろい。

                 

                で、昨日は、小朝さんの

                華のある世界に迷い込んでまいりました。

                 

                ふふふ。

                 

                 

                小朝さん独演会2017

                 

                 

                JUGEMテーマ:落語

                | 本とか映画とかアートとか。 | 07:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
                愛という居場所|映画「チョコレートドーナツ」を観て
                1

                 

                好きな歌を聞き飽きないように、

                好きな映画は見飽きない。

                好きな本を何度も読み返すように、

                好きな映画も繰り返し観る。

                 

                そういう映画が何本もあって、

                その中の一本が「チョコレートドーナツ」。

                 

                 

                母親から育児放棄されたダウン症の少年と、

                彼と家族のように暮らすゲイのカップルのストーリー。

                1970年代アメリカの実話に基づいているそうです。

                 

                歌手を夢見ながらショーダンサーで糊口を凌ぐルディ、

                ゲイであることをひた隠しにする弁護士ポール、

                そして母親からの愛情を知らずに育ってきた

                ダウン症の少年マルコ。

                 

                母親のようなルディ、

                父親のようなポール、

                自分の居場所に出会ったマルコ。

                 

                この3人の何気ない、暮らしの描写がとても好きです。

                 

                たとえば、このワンシーン。

                 

                夕飯に、ちゃんとした食事をとらないマルコに

                好物のチョコレートドーナツを食べさせるポール。

                夕飯にチョコレートドーナツなんてと、

                小言を言うルディ。

                毎日じゃないんだから、大丈夫だよと答えるポール。

                そして、嬉しそうにチョコレートドーナツを頬ばるマルコ。

                 

                甘やかしてくれるポールの愛情と

                体のことを思って反対するルディの愛情と、

                2人の自分への思いを

                チョコレートドーナツというカタチを通して

                味わっているようなマルコの表情。

                 

                そんな風に描かれていく

                3人の染み入るような温かな愛情。

                 

                この後、偏見に凝り固まった人たちが

                3人の暮らしを壊すことになるのですが。

                それでも、なぜか、胸が締めつけられながらも、

                ハッピーエンドだと思いました。

                 

                たぶんそこには、

                チョコレートドーナツの記憶があったから。

                 

                どんなことが起こって、

                どんな結末が待っていても、

                これ以上ないほどに愛している人がいて、

                これ以上ないほどに愛してくれている人がいる。

                 

                マルコの胸に、その疑いもなく揺るぎない愛があるから。

                自分の居場所があることを、ちゃんと分かっていたから。

                 

                たぶん、そういうことだったと思う。

                 

                原題は「Any day now」。

                洋画の場合、原題の方が好きなことも多いのですが

                これは「チョコレートドーナツ」という邦題の方が好きです。

                 

                ルディ演じるアラン・カミングの

                魂を振り絞るような、

                聞いている者の胸がちぎれるような歌声と合わせれば、

                「Any day now」かなとも思うのですが、

                 

                あの温かな愛に包まれた時間に、

                自分の居場所を見つけたマルコの

                甘く満たされた心を思うと

                やはり「チョコレートドーナツ」。

                 

                そして、この映画に出会って以来、

                チョコレートドーナツがなにか特別なスイーツになりました。

                 

                 

                チョコレートドーナツ:オフィシャルサイト

                           Amazon

                                                 Yahoo!Japan映画

                 

                                                                                                Phot:Original image from Pixabay.

                 

                 

                 

                JUGEMテーマ:大好きな映画

                | 本とか映画とかアートとか。 | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
                音が踊っていた。
                0

                   

                  昨夜、大阪フィルハーモニー交響楽団の

                  コンサートに行きました。

                   

                  友だちのご両親が急な都合で行けなくなった

                  チケットをいただいて、

                  すご〜く久しぶりで、

                  すご〜く珍しいクラッシックコンサート。

                   

                  楽しかったです。

                   

                  最初、ステージの上で

                  音が跳ねて踊りはじめて、

                  しだいにその音が1枚の波になって、

                  いろんなカタチに姿を変えて迫ってくる。

                   

                  そんな感覚に包まれました。

                   

                  その、めまぐるしくカタチを変える

                  波のイメージを言葉で表したいと思ったけれど、

                  追いつかなかった。

                   

                  全身を包みこみ、

                  腹の底や胸の奥を打ち、

                  引き潮のように、こちらをぐいを引き込み、

                  満ち潮のように、こちらへぐいと押し上げる。

                   

                  そんな音の波にうっとりと身を委ねながら、

                  その感覚を言葉で捉えたいと格闘する。

                  じっと静かに座っていながら、

                  心の中は、密かにお祭り騒ぎでありました。

                   

                  音の宇宙を存分に旅してきた、

                  そんな時間。

                  楽しかったです。

                   

                   

                   

                  JUGEMテーマ:エッセイ

                  | 本とか映画とかアートとか。 | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  自分の後頭部を視る|「帰ってきたヒトラー」を観て
                  0

                     

                    帰ってきたヒトラー」。

                     

                    去年、公開時に劇場に行こうかなと思いつつ

                    結局行かなかった映画。

                     

                    突如、どういうわけだが

                    現代に甦った本物のアドルフ・ヒトラーが、

                    コスプレおじさんと勘違いされ、

                    物真似芸人としてテレビに出て、

                    ネットも手伝ってブレイクしていく。

                     

                    フィクションのなかに

                    ドキュメンタリーフィルムが融合していて、

                    コスプレした物真似芸人のブレイクしていく過程が、

                    この21世紀に、

                    人々がアドルフ・ヒトラーに煽動されていく過程になっていて、

                    そうか、そうなのか、とゾワゾワしました。

                     

                    揺るぎない信念と情熱を、滔々と語る1人の男の姿。

                    そこには、相手を惹きつけるだけのものがある。

                    共感を呼び起こし、納得させるだけのものがある。

                     

                    ここまでは、いい。

                     

                    ただ、その男、独裁者である。

                     

                    私たちは歴史を知っている。

                    その先に何が起こったのかを知っている。

                     

                    それでも人は、その男が、

                    本物ではないということを抜け道に

                    煽動されていく。

                     

                    こわいなあ、人間というものは、と。

                    いま、自分のいる現実について、思いをめぐらせた。

                     

                    何も、政治に限ったことではなく。

                    歴史は繰り返されるとか、

                    戦争は忘れたころに繰り返されるとか、

                    大きなテーマに限ったことではなく。

                     

                    自分と、自分以外の間に

                    超えられない境界線を引いて

                    諍いに自分を消耗することは、

                    瑣末で些細なことにも、思い当たる節のあることだ。

                     

                    「強い意志と信念と行動力」という

                    ポジティブな言葉に潜む危うさを忘れることなく、

                    自分の心や頭が、一色に塗りつぶされそうになったら

                    ほんの一滴、“違和”を与える色を落とさなければならないと。

                     

                    それは、集団や組織がそうであるように。

                    自分ひとりについても、

                    違和という鏡を持つことが必要なんだと。

                     

                    自分の後頭部を見るような自分自身の視線を

                    持つこと、保つこと。

                    そういう感性を研ぎすますということを、

                    繰り返し繰り返し、ことあるごとに思い出そうと

                    考えさせられた一本の作品だった。

                     

                     

                    クラーナハ正義の寓意ユスティティア

                                   ルーカス・クラーナハ<正義の寓意(ユスティティア)>部分

                     

                     

                     

                    JUGEMテーマ:洋画

                    | 本とか映画とかアートとか。 | 07:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
                    ヴィジョン|映画「Brooklyn」を観て
                    0

                       

                      好きな映画がまた一本増えた。

                       

                      ブルックリン」。

                       

                      アイルランドの田舎町から一人、

                      ニューヨークのブルックリンに渡り

                      自分の生きる所を定めていく

                      若い女性の物語りだ。

                       

                      小さな町で、母と姉の3人で暮らす主人公エイリシュ。

                      意地悪な女店主の食料品店で働き、ときめく恋もない。

                      溜め息に埋もれていくような毎日。

                      そんなエイリシュに姉ローラが、

                      ニューヨークでの仕事を見つけてくれた。

                      希望と不安を胸に、エイリシュは一人、ニューヨークに向かう。

                       

                      できるものなら、2人一緒にニューヨークに来たかった

                      優しく美しい姉ローラとの手紙を心の支えに、

                      ホームシックと闘うエイリシュ。
                      彼女を温かく見守る人たちに囲まれているものの、

                      慣れない都会の生活に、どこか、おどおどしているエイリシュ。

                       

                      そんなエイリシュに、

                      イタリア系移民の青年トニーとの恋が訪れる。

                      一途に彼女を愛するトニーの存在がエイリシュに自信を与え、

                      ニューヨークでの生活に輝きを与えた。

                       

                      しかし、ある日、

                      ニューヨークの暮らしに馴染んだエイリシュに、

                      帰郷しなければならない出来事が起こる。

                       

                       

                      すっかり強く美しくなったエイリシュに対する

                      故郷の人たちの態度は以前とは違っていて、

                      彼女は、トニーの待つニューヨーク、ブルックリンと、

                      懐かしい故郷の町との間で揺れ動くのです。

                       

                      その、エイリシュの心の変化を印象的に表すシーンがありました。

                       

                      トニーと出かけたコニーアイランドのビーチで

                      掛けていたサングラスを、

                      久しぶりに訪れた故郷のビーチでさっと外すのです。

                      そして、人でいっぱいのコニーアイランドのビーチと比べ、

                      静かで穏やかな故郷のビーチの美しさに心を奪われます。

                       

                      このサングラスが、エイリシュのビジョンを表しているようで

                      ハッとしました。

                      トニーの待つブルックリンに戻りたいと思う心に、

                      故郷を離れがたく思う心が芽生える。

                       

                      やがて、エイリシュは、自分の居場所を決めるのですが。

                      エイリシュの目に映る世界の変化が

                      自分の目の前にも立ち現れたかのような、

                      あのサングラスを外した瞬間に、ドキッとしたのでした。

                       

                       

                      sunglasses

                                                                           Phot:Original image from Pixabay

                       

                      JUGEMテーマ:洋画

                      | 本とか映画とかアートとか。 | 08:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
                      落語にぞっこん
                      0

                         

                        先週の木曜日、ワクワク心待ちにしていた

                        「柳家小三治・柳谷三三親子会」を楽しんできました。

                         

                        聞き惚れる、見惚れるって言うんでしょうか。

                        来てよかった、来られてよかったって思いながらの2時間は

                        あっという間でした。

                         

                        やっぱり、生の落語はいいなあ。

                         

                        その場の客を感じながら置かれる「間」。

                        その「間」のなかにすっぽりハマっている感じ。

                         

                        なんていうか、

                        子どもと遊んでいる時、

                        子どもが、こっちの動きを見ながら笑う準備をしている…

                        次、何? 次、何?、もう来る?…って待っている

                        あの、期待に満ちた感じ。

                         

                        誰が好き?と問われて

                        立川志の輔さん

                        春風亭小朝さん

                        柳谷三三さん

                        …というお名前をあげると、

                        江戸落語かぁ…

                        江戸落語ってまだ聞いたことないわ…

                        江戸落語っておもしろい?と

                        そういう風におっしゃる方も、まだ、

                        たま〜にいらっしゃるのですが…。

                         

                        上方落語のはんなりしたやわらかさ、

                        江戸落語のしゃっきりした粋さ、

                        どちらも、そりゃあ、魅力的です。

                         

                        ぽんと膝を打ちたくなるようなエスプリ

                        洒落のきいた毒

                        照れまじりの優しさ温かさ

                        人の愛すべき愚かさ

                        その愚かさをひっくるめて、

                        仕方ない、人間っていいもんだ…と引き受ける人情。

                        そういうものを、笑って、しんみりして、やっぱり笑って、

                        まるで噺のなかの一人になった気分で味わえる。

                         

                        落語っておもしろい。

                         

                        落語、大好きです。

                         

                        …ってなんの宣言だ。

                         

                        rakugo_enmoku_yanagiyaoyakokai

                         

                        JUGEMテーマ:楽しい事

                         

                        | 本とか映画とかアートとか。 | 07:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
                        本と本屋と無限の扉
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                          先週、アジア視野で本と本屋の今と未来を

                          見つめたり考えたりするイベントに行きました。

                           

                          韓国、台湾、日本の本屋さんの、

                          ビートの異なる3つの音楽を聴くような

                          言語が入り交じるトークセッションに、

                          出会い、融合し、そこから新たに

                          それぞれの個性が効いたオリジナルが生まれるという、

                          世界の広がりを感じました。

                           

                          トークセッションのあと、

                          台湾で、出版、本屋、そして展示と、

                          本を作り、人に届けるすべてを数十年続けてらっしゃる

                          台湾の方とお話できて、

                          通訳の方と3人で、共感したり、納得したり。

                           

                          オンラインで情報が手に入るようになった今、

                          紙の本を選ぶってどういうことだろうかと。

                          なぜ、やっぱり紙の本がいいのだろうかと。

                          本屋さんで過ごす時のあのワクワク感、

                          本棚から本棚を散歩のようにぶらぶらとする

                          あの楽しさは、どこから来るのだろうかと。

                           

                          本は情報を得るためだけのものじゃなく、

                          そこにある世界を感じるためのもの。

                           

                          そこに書かれている内容と一緒に、

                          装丁や紙の手触り、

                          文字の姿、

                          ページを刻むノンブルの居方、

                          インクの色。

                          いろんなものが結集して、招いてくれる世界がある。

                           

                          本の表紙をめくることには、

                          ひとつの世界の扉を開くような楽しさがあって、

                          その扉が、所狭しと並んでいるから

                          本屋は楽しいのだ。


                          本を要に、境界が消え、

                          世界が広まり深まる感じがなんとも心地よい、

                          上質の絹や麻に包まれるような時間のなかで、

                          自分が好きなことについての再発見ができました。

                           

                           

                          bookshelf at a exhibition

                                               「世界を変えた書物展」(2015)会場の書架

                           

                           

                          JUGEMテーマ:本屋は好き?

                          | 本とか映画とかアートとか。 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
                          Like DORY.
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                            つい最近、

                            今さらながら「ファインディング ドリー」を観た。

                             

                            忘れっぽいドリー。

                            度を超えて忘れっぽいドリー。

                            呆れるほど忘れっぽいドリー。

                            手のつけようがないほど忘れっぽいドリー。

                            もやは気もちがいいほど忘れっぽいドリー。

                             

                            そんな彼女が記憶を取り戻していく。

                            それはいつも愛情に結びついた記憶の断片。

                            ドリーが誰かを思う気持ち。

                            ドリーが誰かからもらう気もち。

                             

                            そこにあるのはいつも守ってあげたいという思い。

                            失いたくないという思い。

                            愛おしむ気もち。

                             

                            記憶しないドリーが従うのはいつも彼女の直感。

                            臆することのない好奇心。

                            無防備なまでに信頼する気もち。

                            なんとかなるから。

                            どんな風に進んだって、何かは起きるんだから、

                            それをなんとかしていくだけのこと。

                             

                            シンプルだ。

                            ドリーのこのシンプルさは、どう生きていくかの憧れだ。

                             

                            取り戻していく記憶の断片。

                            記憶という概念のないドリーが絶対に忘れない

                            ニモ、マーリン、ヘクト。

                            そして、え、思い出したのか…忘れていたのかというパパとママ。

                            そうそう、幼なじみのデスティニー。

                             

                            記憶からけして消えることのない人たち。

                            時々うっかり忘れちゃうような忘れ方をするだけで、

                            必ず彼女の心に戻ってくる大切な人たち。

                             

                            そういう人たちで、

                            そういう人たちの記憶で、

                            そういう人たちとの思い出で、

                            ドリーの人生が形づくられていく。

                            ドリーの中に彼女の人生が膨らんでいく。

                             

                            そうか、そうだよな。

                            ドリーの信じがたい忘れっぽさをいう点を外せば、

                            生きていくってこういうことじゃないか。

                             

                            人は誰だって、

                            起きたことの多くを忘れながら生きている。

                            誰に憶えていてもらうか、

                            誰を憶えているか。

                            どんな風に憶え、憶えられているか。

                             

                            忘れてしまっていいことは忘れた方がいい。

                            ドリーみたいに。

                            大切で、

                            自分がずっと心の中に抱えていたい愛おしいことだけを

                            忘れずに。

                             

                            ドリーのように。

                             

                            保ち続けることと、手放すことを選びながら。

                            シンプルに、

                            ちゃんと自分の姿が見えるようにシンプルに。

                             

                             

                             

                            JUGEMテーマ:大好きな映画

                             

                            | 本とか映画とかアートとか。 | 08:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
                            キモチガ ヨク カワイタ カンジ
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                              急にレイモンド・カーヴァーの短編を読みたくなって、
                              昨夜、本棚の奥から「ファイアズ」を引っぱり出しベッドへ。
                              月曜の朝は寝足りた頭で始めたいにもかかわらず、
                              ついつい、もう一遍、あと一遍と、
                              うたた寝をはさみながら、
                              苦く乾いた感覚に、浸りきってしまった。

                              うまくいかない人生というのか、
                              人生のやるせなさというのか。
                              そういう感じを、ことさら大きな声で嘆くでもなく、
                              淡々と、そういうものさ、
                              ただ、そうだってことさ、と普通の声で語る。

                              そういう話をだなあ、
                              真夜中に読むもんではないんじゃない?と
                              我ながら思いつつ、読むのがやめられない。
                              やめられないなら仕方ない、
                              落ち込んだって自分のせいだぜと、
                              居直って読んでしまったら、
                              妙に、朝、元気な気分で目が覚めた。

                              読みながら浮かんでくる情景は、
                              自分の過ごしてきた時間のなかにあるものと
                              かけ離れていて。
                              なんというか、たぶん、
                              匂いや湿度や温度が、直接、皮膚に触れないガラス越しの
                              世界を見ている距離にあって。

                              読みながら追いかけていく感情は、
                              自分のなかにも思い出すところがあって。
                              そこに見る、痛みとか、誰に何に向うでもない憤りとか、
                              そして、それと折れ合っていく心の感じ。
                              そういうものは、目の細かなやすりのように
                              こちらの気持ちや、感情の記憶をひっかいていく。

                              この他人事の感じと、自分事の感じのバランスが
                              なんとも良かったのかな。

                              よく分からないけれど、
                              明け方には、たぶん、気分が上がっていく感じの夢を
                              見ていたんじゃないかと思うほど、
                              透明な気分で起きられたのよねえ。

                              これって一種のカタルシス…なのかなあ。

                               

                               

                              JUGEMテーマ:その他の作家

                              | 本とか映画とかアートとか。 | 21:08 | comments(0) | trackbacks(0) |